いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



カッティング~Case of Mio Reincarnation~ (HJ文庫)

「カッティング 〜Case of Mio Reincarnation〜」翅田大介(HJ文庫)
カッティング~Case of Mio Reincarnation~ (HJ文庫 は 1-1-4)

葛峰聖、昂の双子の仕組んだ罠はいつしかミオとカズヤの間にわずかな綻びを作った。そしてその綻びから生まれたすれ違いを解消出来ないまま、交通事故に遭ってしまったカズヤ。
命が失われていく中でカズヤが聞いたのはミオの絶叫と悪魔の囁きだった。ミオやカズヤの再生の物語の結末は?


先輩の台詞
『分からないかなぁ? だから面白いんじゃないか。愚鈍で莫迦で甘々なのが』
が言いたいことのほとんどをいってくれているような気がする。


何とも痛い話だった、いろんな意味で。
結局“雨降って地固まる”だけの話だったのに、二人の土砂降り具合といったら。カズヤにしてもミオにしても全く気持ちの整理が付けられなくてもがき苦しんでいる様子がこれでもかと描かれていて、その不器用さ若さは痛々しいとしか言いようが無い。
でも、それだけ苦しんだからこそ最後のベタ甘な答えにちゃんとした重さがあって心に響く。
そんなこんなで辿り着いた結論は・・・はいはい、もう勝手にやっててください(苦笑)
青臭くて悪趣味で答えはベタ甘。うん、これこそ「カッティング」だ。こういうのを待ってた。