いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫)

「MA棋してる!1」三浦良富士見ファンタジア文庫
MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫 み 2-1-1)

「これは賭け」
撃ち込まれた魔法の弾が耳元で風を切る中、そのオカメインコは、はっきりとした日本語で少女に告げた。
「奏がちゃんと構築できれば、奏だけのオリジナル魔法手続きができる。できなかったら――もう魔法は使えない」
奏と呼ばれた少女は頷いた。ルールがあって、縛りがあって、真っ白に戻せる魔法の仕組み。奏には一つだけ心当たりがあった。幼いころから慣れ親しんできた、将棋。将棋が私を助けてくれる。
異世界の王位決定戦に巻き込まれた小学生・奏が、大好きな将棋のルールで友達を守りぬく! 友情と戦略の異種魔法バトル、開局!

小5の女の子が異世界から来た守銭奴インコを元の世界へ返すべく将棋魔法で奮闘する現代魔法ファンタジー・・・要約するとカオスだw


表紙の絵の前作「抗いし者たちの系譜」とのあまりのギャップにどんなものがで出てくるか期待半分不安半分で読んだら・・・題材が魔法少女でも主人公が幼女でも絵がこれだけファンシーでも三浦先生は三浦先生だったようです。
質実剛健魔法少女
読み終わって真っ先に頭に浮かんだ言葉がこれw 剛健はちょっと違うかな?
最大の魅力は戦略重視の魔法バトル。魔法バトルでありながら勝負を決めるのは純粋な力の強さではなく知力。先の先を読む熾烈な頭脳戦は普通の魔法ものと一味も二味も違った面白さ。 
また、将棋という題材の渋さもさることながら奏の小学生らしからぬ落ち着いた雰囲気が全く“魔法少女”を感じさせず(51ページの可愛らしい挿絵と文章のギャップは最高)、魔法少女にしてはシンプルなステッキと変身ははっきりいって地味。あくまで中身で勝負しているのが素晴らしい。
アニメや漫画には向かない小説で読んでこその魔法少女もの。これは新しい・・・ような気がするw とにかく面白いので次も期待(1ってことは2も出るんですよね?)