いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

「“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店5」御堂彰彦電撃文庫
付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

付喪堂に不釣合いに置かれたパソコン。先端科学の利器とは縁遠い無表情な少女はどう扱っていいかわからない様子です。わいわい騒ぐ様はのどかで平和そのものですが、それだけお店は暇なのでした。客と巡り合えなくても、アンティークとは巡り合えてしまうのが不思議なもの。こんな物がありました。
懸賞が当たった、テストのヤマが当たった。そんな思いもかけぬ幸運をもたらすというバングルがあるのです。ですが、その見返りが周りの人の不幸だとしたら……。周囲が苦しむのを見て、人は幸せに思えるのでしょうか。あなたはいかがですか?


咲ちゃんの愛情表現がアクティブになってまいりました。いいですね、とてもいいですね。
第一章の「……もう少し」の可愛さといったら。くわっ 
毎度の第四章は今回も至極のニヤニヤ小説。それは誰がどうみてもデートですよ、お二人さんw 都和子さんGJと言わざるを得ない。デート中もラストもニヤニヤものだったけど、それ以上に待ち合わせ時の咲が最高。その冷静を装った気合の空回り具合と思考の迷走がたまらない。
ただ終始ラブラブ?だった4巻に比べるとだいぶ大人しめ。それより二人の距離が縮まったことにより、時折見せる咲の闇の部分の印象が強くなってるのが気になる。
さて、本題のアンティークにまつわる話の方は
第二章第三章に跨ったアンティーク『災厄の壺』が良くも悪くも印象的。人が能動的に使うものでもなく人の利になる要素がまるでないアンティークは初めてでは?
第二章は今の刻也の必死さと過去の巫女の強さが見えて最後まで読み応え十分だったが、続きの第三章は巫女の姉の台詞に矛盾があったり、子供がこれで納得するか?という疑問があったりと腑に落ちない点が多いのが残念。
・・・ま、今回も咲ちゃんが可愛かったからそれだけで満足ですがねw