いつも月夜に本と酒

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放課後の魔術師 (1)オーバーライト・ラヴ (角川スニーカー文庫)

放課後の魔術師(1) オーバーライト・ラヴ」土屋つかさ角川スニーカー文庫
放課後の魔術師  (1)オーバーライト・ラヴ (角川スニーカー文庫)

ある朝、播機遙は見慣れぬ少年・秋津安芸に出会う。転校生かと思い親切にするが、安芸が17歳で自分の担任教師になると知って、遙は愕然とする。一方、彼の出現と同時に学園で不可思議な現象が起き始める。安芸は万物の〈可能性〉を引き出して現象をねじまげる論理魔術師であり、学園に潜む天敵を倒すという隠れた目的があったのだ。安芸の不審な行動に気付いた遙は彼に接近するが、それは論理魔術師の世界に踏み込む行為だった――。


普通に面白かった。
学園異能ものなので設定や内容については何も言うまい。このジャンルで被るなという方が無理。
特徴的なのは主人公が安芸と遙の二人ということと、その二人で短いスパンで視点が変わること。一つの場面を二つの視点で読める上にテンポがいいというのは新鮮な感覚だった。
新鮮といえば遙の素直さも。これだけ自分の感情に素直なキャラも珍しい。対する安芸はよくいる朴念仁だったけど。
お気に入りのキャラは遙の妹 仄香。顔出しなしのジョーカーみたいな存在なので、途中まで妹なんて本当はいなくて敵の魔術か敵本人なのかと思っていたが、実在すると分かると極度のシスコンを筆頭に変な属性ばかりが付与された濃いキャラが意外なほど面白い。早めに顔出ししてくれると嬉しいんだが、しばらくは無理そうか。
キャラはいいし、内容は凝り過ぎで読者置いてけぼりということもないし、安心して楽しめるシリーズになりそう。