いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



黄昏色の詠使いIX ソフィア、詠と絆と涙を抱いて (富士見ファンタジア文庫)

黄昏色の詠使い IX ソフィア、詠と絆と涙を抱いて」細音啓富士見ファンタジア文庫
黄昏色の詠使いIX  ソフィア、詠と絆と涙を抱いて (富士見ファンタジア文庫)

「クルーエルがいなくなった時、あなたは一人で何ができる?」
夜の競闘宮でシャオから問いかけられ、ネイトは立ちつくす。
凱旋都市エンジュの永い夜は続いていた。“名詠式が存在する理想の世界”を目指し、繰り返されるミクヴァ鱗片を巡る戦い。鱗片の行方によって“残酷な純粋知性(ソフィア・オブ・クルーエルネット)”――クルーエルの運命が、決まる。
彼女が、世界から消えてしまうかもしれない――その事実を突きつけられ、ネイトは自分の中の想いを自覚する。
「何に変えても、クルーエルさんは守る。だって彼女は僕の――」
大切な人を見つけて、少年は決意を抱く。“君のもとへ続く詠。それを探す”召喚ファンタジー、物語はついに“世界”の核心へ!


やっぱりそうなるよね(´;ω;`)
まったく奇をてらわない真っ直ぐなストーリー。
こうなることは分かっていたけど、、、分かっていてもこれは泣ける。
あんな状況だからこそようやく素直になれたクルーエル、あんな状況なのにちゃんとクルーエルの言葉以上のものをわかってあげられるネイトの強い想い、そして離れ離れにならなければならない二人が本当に切ない。
と、ラストの二人のシーンは非常に感動的なのだが、ここが強すぎるのか他が予定通り過ぎるのかここ以外の印象は薄い。
それまでそれぞれの戦いで共通のテーマのように流れていた「守るべき人がいるということは弱さなのか強さなのか」という流れもラストに飲み込まれて有耶無耶になってしまっている気がするのだが・・・その決着も最後のネイトvsシャオでかな?
その辺りも含めて、ネイトの真の活躍と二人で掴む本当の幸せを見せてくれるであろう最終楽章に期待。