いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



神のまにまに!―カグツチ様の神芝居 (電撃文庫)

神のまにまに! 〜カグツチ様の神芝居〜」山口幸三郎電撃文庫
神のまにまに!―カグツチ様の神芝居 (電撃文庫)

頭上に“ヘッポコ”様なる可愛い(?)神様が乗っかっている品部人永は、そのせいで女の子にモテない不幸な人生を送っていた。そんな人永のもとに、ある日政府から美人な才媛・高峰小町が派遣されてくる。曰く、八百万の神々を探してほしいというのだ。
強制的に、小町が所長を務める『やおよろず神議会』に所属させられてしまった人永。小町の色気に逆らえず、ある温泉街に神様を探しに行くことになる。そこで人永とヘッポコを待ち受けていたのは、神様らしからぬ気さくな女神様で――!?
可愛い神様ヘッポコ様が大活躍!? 第15回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作!!

八百万の神々が顕現した現代の物語。


中盤までは微妙だったけど全体で見ればまあまあかな。
24歳社会人で女好きというライトノベルとしては珍しい主人公は目を引くものの、若干強引でテンポの悪い会話(特に小町さん。折角のお姉さんキャラなのにあの話題のすり替え方の下手さはどうにかならないものか)に、問題を現実的にしすぎなせいで説明が多く流れの悪い中盤と巻の四(4章)に入るまでは面白くなかった。
ヘッポコが本領を発揮してからがようやく本番。
本気を出してからの主人公に二度も三度も騙される巧みな展開や心温まるエピソードもあって読み応え十分。
そしてなにより女神vs女神の男の取り合いと、それに挟まれ戦々恐々の人間の男の図が非常に面白い。中でも第一印象とは違う子供っぽいカグヅチに萌える。
終わり良ければ全て良しとまではいかなかったけど、終盤の盛り上がりは良かった。またカグヅチが出てきてヘッポコとやりあうなら続きが読みたいかも。