いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



イスノキオーバーロード (一迅社文庫)

「イスノキオーバーロード」貴島吉志(一迅社文庫
イスノキオーバーロード (一迅社文庫)

双子の妹であるメイド・ユスハと共に、サングリア商王国の幼き姫・ヴェセルに仕えることとなった剣士・スティロス。
わがままにも思えるヴェセルに振り回されながらも、王国に迫る不穏な影との戦いの中で、ヴェセルと心を通わせてゆく。
そのような日々の中で、王国、そしてヴェセルに隠された「イスノキの儀」なる秘密が明かされてゆき……。
姫とメイドたちに彩られたファンタジー、ここに登場です。


ある秘密ゆえに賊に狙われている王国と幼き姫ヴェセルを守るハートフルなファンタジー
話の中心は姫ヴェセルと主人公スティロスで、二人がお互いの信頼を勝ち得ていく過程や少しずつ明かされる国や姫自信の秘密にドキドキワクワクする良作なのだが、本筋を差し置いて一押ししたいのはメイド二人。
一人はアザレア。女性でありながらその生き様はカッコいいとしか言いようがない。物語中では短い思い出話だけだったけど、ヴェセルとアザレアの出逢いから共に心を取り戻していくエピソードとか読みたい。
もう一人はスティロス妹ユスハ。ヴェセルへの接し方に愛嬌と百合っ気がたっぷりでニヤニヤもの。
そんな彼らが作る、姫さまというよりわがままだけど可愛い一番年下の妹をみんなで愛でているようなアットホームな雰囲気が凄くいい。
優しさに溢れていて時々くすりと笑えて癒される。面白かった。