いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



クロノレイヤーに僕らはいた (トクマ・ノベルズEdge)

「クロノレイヤーに僕らはいた」木本雅彦(トクマ・ノベルズEdge
クロノレイヤーに僕らはいた (トクマ・ノベルズEdge)

君塚育人はゲーム屋でもらったクロノレイヤー・オンラインというゲームにコンタクトしてみた。自分のキャラをイクトとして、ゲームスタート。なぜかそのオンラインは四十年前の世界を舞台にしており、そこに前世の自分たちがいることに気が付く。ユーモラスに語られるオンラインゲームの世界がいつしか不思議な現実となり、イクトは戦いの中に入っていく…。


「声で魅せてよベイビー」(ファミ通文庫)の木本氏の二作目ということでwktkしながら読み始めたのだが・・・これはない。


以下酷評。







妙な口調の会話に違和感を覚えながらもゲームと現実がリンクし始めるまでは普通に読めたが、前世がどうのという話が出てきてから、主要キャラクターの性格は豹変し、雰囲気は暗くなり、話の流れが悪くなる。
初めは我が道を行くタイプだったのに、ただ流されるだけの受動態なる主人公の育人。育人の知らない前世のことでキレる理不尽な先輩。快活だったのが電波にしか見えなくなる痛い女の子達。
普通の人として描かれている育人が彼女たちに惹かれる理由もわからなければ、育人の逃げ込む先が彼にとって諸悪の根源であるはずのゲームの中というのも理解不能。お願いだからもう少し理に適った行動をするか、そこに到る心理描写を下さい。
それでも最後には育人が自らの力で困難を乗り越えてくれさえしたら、話として少しは救われたのだけど・・・どこまでいっても受動態かよorz 加えてCLOというゲームの謎も「誰が何のために作ったんだろうね?」って言い合っただけで終わりって・・・せめて匂わすことくらいはしてくれよorz
強いてあげれば育人の母のキャラは笑えたが、ホラーでもないのに陰鬱だし読後感も悪いしどこを楽しめばいいのか分からない。