いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



恋の話を、しようか (ガガガ文庫)

「恋の話を、しようか」三上康明(ガガガ文庫
恋の話を、しようか (ガガガ文庫)

地方都市の冬。高校生の桧山ミツルは、予備校で顔も知らない三人の生徒たちと同じ部屋になり――テスト中に停電が起きた。なんでもない、一度きりの偶然のトラブルをきっかけに四人は出逢い、惹かれあっていく。見上げれば灰色の空から雪……。クリスマスイブの夜、神野若葉は言った。「信じていたら、奇跡は起きるんじゃないかって……でもそれを信じていなかったら、もし起きたとしてもそれは……偶然。たった一度だけの悲しい偶然」。一生懸命未来に悩み、精一杯恋をする、十七歳。ノスタルジックな純愛ストーリー。

予備校で出会った男女4人の四角関係を綴った青春ラブストーリー


なんかえらく薄味だった。
問題は表紙の絵かな。4人の関係を端的に表したいい絵だとは思うんだけど、この絵が雄弁すぎて文章が負けている気がする。
文章では一人以外は誰が誰をというのは最後の最後まで明かされないのに、表紙で4人の関係が始めから丸分かりだから、ドキドキ感はなくあるのは切なさだけ。起こる出来事もいたってポピュラーで、表紙と序盤の数十ページで残りの展開がなんとなく読めてしまう。
というわけで、こういう青春ものは大好物なはずなのにあまり楽しめなかった。
少し読みにくい文体が合わなかったのと終わり方が好みじゃないというのもあるけど、やっぱり予想できたものがほぼそのまま出てきてしまったのが原因か。