いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



読書の時間よ、芝村くん! (2) (一迅社文庫)

「読書の時間よ、芝村くん!2」西村悠一迅社文庫
読書の時間よ、芝村くん!〈2〉 (一迅社文庫)

今度の舞台は恋愛もの?
学園祭を間近に控えたある日、マビノギ回収の旅を続ける和樹と春奈、夏耶たちだったが、ある本の悲劇的な結末を目にしたことで三人の関係はぎくしゃくしだす。
春奈の過去の記憶をめぐり亀裂が深まる中、ある喜劇の本の世界へと入った和樹たちは、やはり何をしてもうまくいかなずトラブル続き。そんなとき、魔法の媚薬を巡って予想外の事件が起きてしまうのだが……。
異世界読書ファンタジー、待望の第二巻がいよいよ登場!


切なくて泣ける青春小説だった。
1巻から既に三角関係ではあったけど、馴れ合い路線には見向きもせず一気に加速。2巻にして早くも本の世界へ入る設定そっちのけで青春している。
そんな三人の中で主役は夏耶だった。
夏耶を思うと本当に泣ける。
まるで裏と表のような近いけど正反対のトラウマを持つ和樹と春菜のすれ違いも切ないのだけど(というかむしろそっちがメインなんだけど)、夏耶視点だとその二人が自分勝手に見えて腹立たしくなる。
一方通行でもちゃんと春菜を立てながら精一杯のアプローチする姿だけでも切ないのに、ちょっと行き過ぎただけで自己嫌悪したり、二人のために怒ったり、泣きながら一歩引いたり・・・いい娘過ぎて涙が出る。
そして、そのまま夏耶が泣いて和樹×春菜で終わりそうな雰囲気で迎えたラスト・・・って、誰だお前!
流れを見事にぶった切るまさかの新キャラ登場&急展開。
次も和樹を巡る争いが気になる。でも出来ればもうちょっと本の世界を楽しむ要素が欲しいなぁ。