いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ベン・トー 4 花火ちらし寿司305円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー4 花火ちらし寿司305円」アサウラスーパーダッシュ文庫
ベン・トー 4 (4) (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9−6)

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤をはじめとしたHP同好会は、夏休みを利用した強化合宿に向かう。
あえて途中下車し、有名な弁当を現地の社会人と奪い合いつつ、到着した合宿地。そこではある悩みを抱える二人の少女、淡雪えりかと禊萩真希乃に出会うのだが事態はおかしなことに…!? そして今回の合宿の最終目的である至高の半額弁当を手に入れようとする佐藤たちの前に、全国から規格外の力を持つ強敵・難敵が続々現れ…!? 花火と共に上がる『狼』たちの咆哮…人々が空を見上げる時、彼らの命を懸けた戦いが始まる!!
庶民派シリアス・ギャグアクション、百花繚乱の第4弾!


くっ、夏になって佐藤の変態ぶりがパワーアップしてやがる。
いや高校生男子としては普通なのだが、糞真面目な解説と部分漏れのおかげで変態度が数段UP。
そしてその被害者はもちろん槍水仙。無防備な彼女を視姦する数々の事細かな描写。これはもう佐藤GJと言わざるをえない。惜しむべきは、背中や生足に気をとられデニムのミニとニーソの間の僅かな領域にこそロマンがあることに気付くのが遅すぎたことか。
で、背中が見える挿絵がないのは何故ですか?(オイw
しかし上には上がいる。そう我らが白粉先生である。もう登場時間の半分以上が覚醒モード。佐藤の変態をフォローすると見せかけて上から更なる変態で全て塗りつぶしていく悪魔の如き所業には、もう息が出来なくなるかと(笑いで


というわけで季節は夏。全国の猛者たちと対決する夏合宿編。
今回のテーマは「友情」か。
途中下車での佐藤とサラリーマンに芽生えた馬鹿馬鹿しく素晴らしい友情でスタートし、話はメインの現地で出合った二人の少女、淡雪えりかと禊萩真希乃の友情の話へ。
この二人に過去の自分達になぞらえて親身になる佐藤と著莪の姿もいい話だったのだが、そこは「ベン・トー」真髄は半額弁当争奪バトル。新たな舞台に新たな狼が多数とそれだけで盛り上がる半額弁当争奪バトルに、彼女達の壊れそうな友情が加わって更なる感動が。
窮地になって大切なことを気付く彼女達の姿に戦いの最中でありながら何故かホッとし、バトルのラストで佐藤が真希乃に投げかけた言葉には心が震えた。戦い終えた後の清々しさはシリーズ随一。
・・・しかし何故だろう? この作品で感動すると負けた気分になるのはw
そんなバトルはもちろん、地の文の馬鹿馬鹿しいことを糞真面目に書くシュールな笑い(中でも小学生時代の作文の話は秀逸だった)も、無駄に上手そうな弁当の描写(マグロカツ弁当食いてー)も健在で、今回も文句なしで面白かった。笑った腹減ったー。


一つ疑問が。
あの神輿を心から楽しんでおられた白粉先生なら、ナックラヴィーの技は効かないのでは?