いつも月夜に本と酒

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魔法の材料ございます ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 (GA文庫)

魔法の材料ございます ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚」葵東GA文庫
魔法の材料ございます ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 (GA文庫)

いらっしゃいませ。ドーク魔法材店へようこそ! わたし、この店で働いているサシャと申します。
ここは三十年前に高名な魔導師が創業したお店です。今は三代目が店主を務めているのですが、在庫管理はいい加減、仕入れは無計画だし、今日も予約が入っていたドラゴンの鱗を別の人に売ってしまったんですよ?
まったく、わたしがいないと店番ひとつもできないんですから。
それで、すぐに買い戻してくるように言ったら、なぜかドラゴンの鱗でなく金髪ツインテールの美少女を連れてきたりして……困ったものですよね。
さて、そんな旦那様の物語、楽しんでいただけますと幸いです。期待のGA文庫大賞奨励賞受賞作、ですよ。


「魔法材店員サシャ」「英雄の孫の憂鬱」「わがまま姫の一人旅」の3つ物語を強引に1冊に詰め込んだような作品。
要するに典型的な詰め込みすぎ。しかもその3人の目的もバラバラなので、作品としてどこに向かっているのか分らない。
そんな中サシャの話はとても良かった。ダメ店主の三代目を尻に敷く姿ニヤニヤもので、留守番の時の自分や三代目の見詰め直して一人で葛藤、悶絶している姿がめちゃくちゃ可愛い。
が、この表紙このタイトルでありながらサシャの出番はあまりに少なく、物語の大半が三代目とわがまま娘の二人旅。
口ではいい加減なことばかり言いながら何かと頑張ってしまう三代目は良かったが、サシャの代わり?にヒロインの立場に居座るリア=メイがいただけない。
終始一貫唯我独尊。異常なほど空気の読めなさに苛立つばかりか、最後まで殊勝さはゼロ。どんなわがまま娘でもほのんちょっとしおらしい姿を見せれば印象が全然違うのに。
そんなまとまりの無い内容だったけど、サシャのおかげか割と楽しめた。サシャメインなら続きが読みたいが・・・。