いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ゴミ箱から失礼いたします」岩波零(MF文庫J)

ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫J)
ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫 J) (MF文庫 J い 3-1)

僕の名前は小山萌太。ごくごく普通の高校二年生、のはずだった。ある日ゴミ箱と出会うまでは……。ゴミ箱は神々しく美しく、僕の心をとらえてしまった。その中に自分が入っていないことが不自然だと感じてしまうほどに。そして僕はゴミ箱の中に入った。不思議な満足感に満たされた僕は、ゆっくりと目をつぶった――って、おかしい! なぜ僕はゴミ箱の中に入っているんだ!? しかも出られなくなってる! そんな僕の前にクラスメイトの少女・水無氷柱があらわれる。そして彼女は言った。「あなたは、妖怪ゴミ箱男よ」って、なにその残念な妖怪!? 第5回ライトノベル新人賞<優秀賞>受賞、風変わりな学園コメディ、ゴミ箱から登場!


シュールだ。すっげーシュールだ。
妖怪ゴミ箱男の主人公を筆頭に妖怪達の残念さ加減が半端ない。「しょうもない」という言葉がこれだけ似合うキャラたちも珍しい。また、ゆる〜い脱力系コメディなのに、妖怪達への周りの反応が妙にリアルでこれがまたシュールで面白い。
そんなほんわかなのにシュールというなんともいえない独特な雰囲気がたまらない。
ただ、ストーリーが少し中途半端か。方向性が定まっていない気がする。
ブコメとしては水無の反応が中途半端でラブ要素が薄く、コンプレックスを克服する話としては最後がうやむやで締まりが悪い。美月の話とかオチ付けちゃダメだろう。まぁ可愛かったけどさw
ハートフルなのかラブコメなのかどちらかに決めて突っ走ってくれたら、もっと面白かったかも。
それでも独特の世界観は好みなので今後に期待。