いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おーい、キソ会長!」柴村仁(トクマ・ノベルズEdge)

おーい キソ会長! (トクマ・ノベルスEdge)
おーい キソ会長! (トクマ・ノベルスEdge)

高校二年生の木曽は生徒会副会長。なにかと面倒ごとを押し付けられることが多く、校内をかけずりまわっている。そんなある日、うっかり痴漢を捕まえてしまった木曽は。ひと気のないところでそのツレに囲まれる。やばい、ボコられる。背中に冷や汗が浮かぶ。そのとき助けてくれたのはクラスメイトの勝村だった。勝村はいつも授業をさぼっている一匹狼だ。勝村が木曽を助けた見返りは、勉強を教えて欲しい、とのことだった。勝村を見直した木曽。しかしクラスで盗難事件が起こり、いつものように授業をさぼっていた勝村に疑いがかかってしまい……!?


木曽(副)会長の日常、身近な悪意のお話。
読み始めは「我が家のお稲荷さま。」に雰囲気の近いのんびり日常系かと思ったら、予想外の木曽会長の行動力と次々と起こる小さな事件でのんびりしてる暇は無かった。強くもないのに正義感と信念で突っ走ってしまう木曽会長にハラハラさせられっぱなし。でも、そんな木曽会長の滲み出る“いい人”が小さな悪意がひしめく物語を明るくしてくれている。
ストーリーは、一つ一つの小さな出来事が最後の事件一つに綺麗に収束していく展開が見事。まあ、ヒントを隠そうとしていないので犯人探しなどミステリ的な楽しみはないけど。
木曽会長の人の良さが心地よく、物語も凄く普通だけど収まりが良くて面白かった。
会長はあの後、噂の方はどうしたのかな?