いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「月見月理解の探偵殺人」明月千里 (GA文庫)

月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)
月見月理解の探偵殺人 (GA文庫 あ 8-1)

「どうしたんだ、暗い顔して。またちゅーでもしてやろうか?」
「全部君が原因だよっ!」
都築初のクラスに車椅子の少女が現れた。唯我独尊な態度で周囲を圧倒する、その美しい少女の名は月見月理解。
彼女は、ネット上のチャット参加型推理ゲーム《探偵殺人ゲーム》の伝説的なプレイヤーにして、大財閥・月見月家の探偵でもあった。
「この学校に、人殺しがいる」
理解は、初に調査の協力を求めると共に、無視できない、ひとつの勝負を持ちかけてきた! 第1回GA文庫大賞・奨励賞、一番の問題作が登場!
「では、今度も殺してみせるがいい。君の洞察力と虚偽と謀略で、見事に情報を俺様から引きずり出して、騙してみせろ。それでは――《探偵殺人ゲーム》を始めよう」


ここまで突き抜けたヒロインは初めてだ。
頭脳明晰にして性格破綻者。それもそこらの性格の悪い天才とは一線を画す狂気に満ちた壊れ方。
この作品を楽しめるかどうかは、月見月理解のどぎついキャラが楽しめるかどうかが全てといっても過言ではない。
ストーリーの方はどこか影のある日常から、段々と理解のそれが感染するかの様に周りの人たちが壊れ始め、狂気に満ちていく展開に引き込まれていくのだが・・・。
あの流れで着地地点がここなの?
二度拍子抜けした。驚くほど普通な事件の顛末と青春小説のようなエピローグ。まあ、宮越さんは好きなキャラだったのでエピローグというパーツだけなら嫌いじゃないが、これはちょっと。
どんなに後味が悪くても、そのまま突き抜けてダークサイドで終わってくれた方が納得できた気がする。