いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「“文学少女”見習いの、傷心。」野村美月(ファミ通文庫)

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)
“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

「きみが大嫌いだ」心葉にそう告げられてしまった菜乃。その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。そんなのは嫌だ! と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。不吉な影を背負った少女。彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉やななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる。もうひとつの"文学少女"の物語、第2弾!!


ななせー。・゚・(つД`)・゚・
なんであんなにいい娘がまた傷つかなければならないのか。
一応吹っ切れて俯いていた顔は上げられたような気はするけど、前を向けた感じはしないな。
一途過ぎるとそれだけで切なくて泣ける。


外伝2巻は『みずうみ』の短編+『フランケンシュタイン』の長編。
後者は“文学少女”らしい愛憎劇。
ただ、いつもより薄い“愛”と分かりやすい“憎”で、いつもと比べて幼いという印象を受けた。見習いの菜乃が成長するためにわざと分かりやすくしたなんて事はあるんだろうか?
まあ、それはいいとして問題はその菜乃。
外伝1巻の初恋から違和感はあったのだけど、この傷心でそれが大きくなった。
菜乃が理解できない。
なぜ彼女は皆が真剣に怖がって/悩んでいる時にロマンなんて言い出せてしまうのか、なぜ心葉の言葉を理解することが出来ないのか、なぜ自分の考えが100%正だと思えてしまうんだろうか。
心葉一直線の健気な女の子で、この子の元気は愛憎渦巻く“文学少女”では数少ない陽だと思っていたのだが、今回でその陽気は感じなくなった。心葉は嫌いでも理解できないことはなかったが、菜乃は理解できなくてちょっと怖い。愛憎で狂ってしまう犯人達とは別種の怖さ。
事件の方はすんなり終わっていつになく綺麗なエピローグかと思ったら、最後の最後に爆弾が。
この衝撃のラストはどう解釈すればいいのか。大事な友達を“怪物”から遠ざけるための演技か?




さて、
またしてもななせを泣かせた上に、最後に役得まで得やがった心葉を一発ぶん殴ってくる



じゃっ|ω・´)ノ|Ю |