いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ヴァンダル画廊街の奇跡」美奈川護(電撃文庫)

ヴァンダル画廊街の奇跡 (電撃文庫)
ヴァンダル画廊街の奇跡 (電撃文庫)

人は誰もが、
心の中に一枚の絵を持っている──。


統一された政府により、様々な芸術が規制を受け始めた世界。しかし、そんな世界各地の壁面に封印されたはずの名画が描き出される事件が起こる。
『Der Kunst Ihre Freiheit!(芸術に、その自由を!)』
絵とともにそう書き残していく<アート・テロリスト>を、人々は敬意をこめて「破壊者(ヴァンダル)」と呼んだ。
政府を敵に回すという危険を冒してまで彼らが絵を描く理由とは。そして真の目的とは──? 
第16回電撃小説大賞、<金賞>受賞作!


???
何がどうなってるのか分からないままなんとなく読み進めていたら、何がしたいのか分からないまま終わった。
いや、なんとなくだけど分かっているつもりだった。しかし、それがラストの行動で全てが覆された。よって感想の冒頭がはてなになった訳だが・・・。
エナ個人の目的は分かる。父親の遺品と死の真相探し、これは問題ない。
でも『ヴァンダル』として何がしたいのか分からない。
世界政府に反旗を翻すにしてはその活動は間接的過ぎるし、民衆に訴えるにしてもすぐ消えるもので壁面に描く真意が読み取れない。何より最後の行動はどう考えてもおかしい。政治的にも感情的にも理に適っていない。
一方で敵対する世界政府も何がしたいのか分からない。
芸術を規制したところで平和になるなんて真面目に考えているとは思えないので真の目的があるはずなのだが、それが全く見えてこない。
良い台詞や綺麗なシーンもあるのだが、頭の中で全ての物事が繋がらないのでなんだかとっても気持ち悪い。