いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「アイゼンフリューゲル2」虚淵玄(ガガガ文庫)

アイゼンフリューゲル2 (ガガガ文庫)
アイゼンフリューゲル2 (ガガガ文庫)

「始まっちまったぞ。宣戦布告してきやがった!」ただならぬクルツの剣幕に、カールの最悪の予想は確信に変わる。きっと、開戦と同時にブリッツフォーゲルは軍部に強制的に接収されてしまう。北極圏での帝凰龍との対決以来、ブリッツフォーゲルの前に現れる龍はいない。蒼穹の中、孤独なカールは操縦桿を握りしめ、あの煌々たる輝きを思い出す。“何故、飛ぶのか”“何故、挑むのか”……帝凰龍と対決をしたあのとき、カールは『彼』にそう問われたような気がしてならない――。


1巻はいい意味で男のロマンの話だったけど、2巻は悪い意味で男のロマンの話だった。 
感動的ではあった。但し、涙腺を刺激したのはカールの生き様ではなく、第五章終盤からのヘレンの姿があまりに切なかったから。
カールの出した答えは確かに綺麗な終わり方の一つではあると思う。でも、男のエゴを押し付けたようなこのカールの結末は好きじゃない。そして残されたヘレンの悲痛を思うと、この答えでは不満。到底納得するには到らなかった。
それ以外にも激減した龍の出番に、戦争に入り戦闘になったら説明が増えスピード感が無くなった飛行シーンと、1巻の良かったところがなくなってしまったのも不満。
1巻の期待値が大きかっただけに、2巻は大いに不満が残る内容だった。