"人格入れ替わり"現象を乗り越え、太一たち文研部員はおだやかな日常を取り戻した。そんなある日の放課後、突如稲葉が太一に襲いかかる！ さらに唯が見せた机を叩き割るという過剰な行為。そして太一と伊織には、奇妙な感覚が湧きあがった──体が、勝手に、動きだす？ そんな矢先、太一は青木と唯が補導されたと聞かされて……!? 再び現れた<ふうせんかずら>と新たな試練。５人の想いは錯綜し、確かに思えた絆は打ち砕かれる！ 愛と青春の五角形【ペンタゴン】コメディ、痛みと涙の第２弾!!
『入れ替わり』の次はほんの一時だけ理性が利かなくなる『欲望解放』が５人を苦しめる。
若さに中(あ)てられた。
太一の相変わらずなバカ正直さに、伊織の男らしい正々堂々さに（注：伊織は女の子）くらっとした。なんておっさん臭いことを口走ってしまうほど青春だった。
『欲望解放』のせいでやり方は極端だけど、本心ぶつけ合って傷つけ合って絆を深めていくという、一昔前の青春ドラマのような青臭さ。１巻もかなりの青春っぷりだったのにそれ以上のものが出てくるとは。
そして一番の見所は稲葉、いや姫子。可愛すぎるだろ、これ。
１巻でも時折見せる弱さが可愛かったが、今回はそんなレベルじゃなかった。特に姫子視点の時の心の声といったら理詰めな彼女のテンパリ具合が手に取るようにわかって、思わず身悶えするの可愛さ。恋する乙女の破壊力は恐ろしい。
ただ、相変わらず難点が一つ。彼らに起こる現象の意味と〈ふうせんかずら〉存在が曖昧で気持ち悪い。これの理由付けが上手ければ傑作なんだけどな、このシリーズ。
次があれば唯メインなのかな？ それよりか三角関係の続きが読みたいが。
