いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「隙間女(幅広)」丸山英人(電撃文庫)

隙間女(幅広) (電撃文庫)
隙間女(幅広) (電撃文庫)

隙間女という妖怪を知っているだろうか? 部屋に誰もいないのに、どこからか視線を感じる。やがてノイローゼ気味になったときにようやく、家具と壁のわずかな隙間に、こちらを見つめる女を見つけて……。都市伝説や怪談として聞いたことがある人も多いだろう。実は、僕の部屋に現れたのだ。その隙間女が──。
第15回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞〉を受賞した幻の表題作をはじめ、都市伝説をもとにしたハートウォーミング・コメディ5作品を収録する珠玉の短編集。ちょっぴり怖いけど、どこか愛らしい!? そんな不思議な感覚に包まれるショートストーリーが詰まってます!


怪談や都市伝説をピンク色の色眼鏡で見て、ラブコメに仕立て上げてしまった短編集。
長編はいかにもテンプレって内容でかなり薄味だったが、この短編集はどこかズレた感じとラブ未満のほんのりとした甘さが心地いい。
基本的に話の作りがベタだからテンポのいい短編集の方が向いてそう作風ではあったけど、予想以上に面白かった。さすがは電撃文庫MAGAZINE賞ってところか。
で、その長編「夜と血のカンケイ。」は打ち切りらしい。後一巻だったのに・・・。デレた夜音が読みたかった。



以下各話毎


第壱話 『隙間女(幅広)』
内容:太った隙間女の話
隙間女のボケっぷりがたまらない一話。
少しだけ変わった好みの主人公との掛け合いが面白い。
ただ、隙間女の性格上ラヴの気配はないなあ。



第弐話 『消えない傷と恋占い』
内容:顔に傷のある少年と魔女?な少女の話
伊織かわいいよ伊織。
暴露後のあからさまな態度も良かったけど、暴露前なのに平然と指をくわえてしまう無防備さがいい。
ただ、相手がね。特に最後はいただけない。これだけ言われて気付かない奴なんていないよ。



第参話『デコは口ほどにものを言う』
内容:人面疽付きで喫茶店でバイト
なんとも陽気な人面疽さんでw
気弱な女の子が頑張る話というのが個人的にツボ。その上、ラブ度高めなのが嬉しい。デコキスシーンのニヤニヤ感はハンパない。
五話の中で一番好き。



第四話『花摘みの園で相席を』
内容:トイレの花子さんに任命されてしまった少年と便所飯をする少女
斬新な言い訳だ。・・・言い訳だよね?
正直この娘、この話はよく分からん。



第伍話 『隙間女(飽和)』
内容:さらに太った隙間女の話(第壱話の後日談)
駄目だこの隙間女早く何とかしないと。
駄目人間ならぬ駄目隙間女への道まっしぐらな針美さんがかわい・・・くわないな。笑えるけど。
そしてやっぱりこの二人は他の話に比べてコメディ色が濃くてラブ色が薄い。針美さんだからね、しかたないね。