いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「彼女はつっこまれるのが好き!」サイトーマサト(電撃文庫)

彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き! (電撃文庫)
彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き! (電撃文庫)

春の陽気に誘われてフラフラ街を歩いていたら、いきなり拉致されてしまった僕。えっ? なに? いやいやちょっとナニスルンデスカ!? ……ふと我に返ると、なぜかラジオの収録スタジオに。そして向かいに座っているのは、憧れていた人気アイドル声優の音無まどかさん! ええええええっ!!
なし崩し的に、そのまま二人でラジオ収録に突入してしまうのだが……果たして、僕の運命やいかにっ!?
怒涛のハイテンポ&ハイテンション・コメディ、ここに開幕っ!


何故か大ファンの声優のラジオのパーソナリティに選ばれ、しかもその娘が隣に引っ越してきて――と、見も蓋も無い言い方をしてしまうと、オタクの妄想を具現化したような話。


一長一短で総合すると普通。
長は会話。
タイトルどおり「つっこまれるのが好き」なヒロインとツッコミ気質の主人公のテンポの良い会話は楽しい。
また、主人公には癖がなく展開もラブコメの王道で何も考えずにサクサク読めるのが良い。
反面、キャラはちょっと弱い。この普通っぽさがいいという人もいるだろうけど、個人的にはどのキャラも、もう一味二味欲しいかな。
それとテンポが良いだけに要らないものが多いのが引っかかる。
全く波風を起こさなかった新聞部、主人公の妹のおまけでしかなかったお嬢様幸春、存在価値が1mmもなかったタコ親父。恐らくは次以降のための顔見せだとは思うけど、ここまで使わないなら、登場も次以降に回した方がこの巻がスッキリしてもっと読みやすかったと思うのだが。


次はどうしようかな。
会話は楽しかったけど、同じ調子で続けられたらまた同じ様に楽しめるかは疑問。それと異質な存在であるタコが出しゃばってきたら面白くなくなりそうなんだよな、この話。