いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「しにがみのバラッド。 リバース。」ハセガワケイスケ(電撃文庫)

しにがみのバラッド。リバース。 (電撃文庫)
しにがみのバラッド。リバース。 (電撃文庫)

ヒカリが溢れて、淡い色のやさしい光になって、すべてをつつみこみます。真っ白い女の子と黒猫が舞い踊るとき、魂は、空へと導かれていきます。白い死神モモは、涙を流しながら、人の命を奪っていくのです。
そこには、人々の様々な想いのカケラたちが詰まっていました。忘れることのない、大切な想いのカケラたち――。


これは、今までのお話しでは語られることの無かった、秘められたエピソードを紡いだ物語です。あなたの大切な想いのカケラを、白い死神モモと黒猫ダニエルと一緒に探してみませんか。

過去の電撃hpやDVDのおまけ等に収録された作品を集めた一冊。



少し悲しくて、優しくて、甘酸っぱい(&紙が白いw)。これこそ『しにがみのバラッド。』だなぁ。
最近でも『みずたまぱにっく。』や『アンノウンスターズ。』の関連作品は出ているけど、共にもっと明るい作品なので、この雰囲気に懐かしさを感じる。


メインの話は「はじまりのななついろ。」と「ゆきちとはのん。」の二話。
「はじまりのななついろ。」はシングルマザーの家庭の小学生+壱吾とやえ子(3巻の登場人物)のその後。
相変わらずの二人の様子が嬉しいやら楽しいやら。特にやえ子のテンパリ暴走が・・・というかやえ子のインパクトが強くてメインの子が空気なんだがw
「ゆきちとはのん。」は3人の幼馴染みの物語。
どいつもこいつも不器用で、もどかしさが募るけど、最後はあんなに不器用な方法でも伝わる関係っていいなと素直に思える作品。全体的にしんみりとした空気の中、じいさんがいい味を出しているのが印象的。
他諸々の中では「だにえるのはっけん。」が秀逸。
モモ可愛すぎるだろ、これ。普段他人のために涙を流す時以外は超然としているモモとは思えない意外な姿に萌える。


久しぶりに『しにがみのバラッド。』らしい『しにがみのバラッド。』を堪能した。でも本線はこれで最後かなぁ・・・