いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フルメタル・パニック! ずっと、スタンド・バイ・ミー」賀東招二(富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック!11  ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫) フルメタル・パニック!12  ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)

ソ連の秘密都市〈ヤムスク11〉で明らかになったのは、この世界が『時間災害』によって生まれた歪んだ世界だという衝撃の事実。
だが、宗介にとってもっと重大な事態が起こっていた。さまざまな苦難の末に再会したかなめに異変が起きていたのだ。宗介にむけ銃を発砲したかなめは、歪んだ世界を元に戻すべく宿敵であるはずのレナードと共に姿を消してしまう。
二人の行方を追う宗介たち〈ミスリル〉の生き残りメンバー。最後の決戦の地は皮肉にもかつての古巣メリダ島。全面核戦争による世界滅亡のカウントダウンが始まる中、最後のミッションがスタートする! SFアクションの金字塔ついにクライマックス!(上巻)

大きな犠牲を出しながら、ついに飛び立ったフル装備の〈レーバテイン〉と相良宗介。強力な敵の迎撃部隊を突破し、かなめが待つメリダ島最深部へ着実に近づいていた。だが、新兵器を装備したレナードが駈る〈ベリアル〉が出現。切り札の〈妖精の羽〉も破壊されピンチに陥る。一方、核ミサイルの発射を防ぐため、宗介たちと別行動をとるマオとクルーゾーも、絶望的な状況に陥っていた。全面核戦争による世界滅亡のカウントダウンが始まる中、彼らに起死回生の秘策はあるのか!? そして宗介とかなめが交わした、あの日の約束は永遠に成就しないのか!?
SFミリタリーアクションの金字塔ついに完結!(下巻)

終わったね。



・・・終わってしまったのか。文句なしのハッピーエンドなのに満足感より寂寥感の方が強い。それだけこの作品が好きだったということか。
上巻を読んだ時は、間が空きすぎてしまったこと、SFとしては質実剛健だったイメージから離れてしまったことなどがあり、自分の中ではあまり盛り上がらなかった。冷めちゃったかなーと思いながら下巻を読み始めたら、いつの間にかそんな思いは吹き飛んでいた。
意地が、強い意志、譲れない想いが交差する各所の戦闘が熱くて、でもどこか切なくて、どこも目が離せない。宗介やかなめはもちろん、今まで本音を出さないで来た人たちまでもが本心でぶつかり合う姿に感動しない訳がない。ええ、メリダ島最後のシーンは宗介に貰い泣きしましたとも。


さて、最後まで苦難の連続でそれを頑張りぬいた宗介たちには悪いけど、「ずっと、スタンド・バイ・ミー」で最も印象に残ったのは親父達だった。
このシリーズ(主に長編)を象徴するかのように、最後までどこまでも親父達がかっこよかった。
上巻のサックス、下巻のマデューカスにカリーニン。どんな状態でも自分の仕事をやる遂げる真の強さを見せ付けられた。特にあんな状態で“父の背中”を見せるカリーニンの姿には涙が。


・・・なんてこと言いながらさっきから最後の東京のシーンばかり読み返してるんだけどねw


本編はこれで終わりだけど、未収録の短編があるので短編集が出る可能性はあるようで。
あとがきにあるように書き下ろしがあるなら読みたいのは断然マオとクルツ。どんな関係になっても宗介とかなめだと、今までの短編と同じになりそうな気がするんだよね。でも、それ以上に後ろ3巻のマオ姐さんの可愛さは強烈で、少しでもマオの幸せそうな姿が読みたいってのが強い。それに揃いも揃って台無し台無し言われるクルツがあまりに不憫だったのもあるしw



最後にありきたりな言葉ですが、
賀東招二先生、四季童子先生12年間お疲れ様でした。そしてありがとうございました。最高にして最強のボーイ・ミーツ・ガールでした。








最後の見開きの挿絵、真ん中の二人よりオノDの左手の方が存在感がwww