「２年間で劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」――鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。
しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が！ それぞれの悩みを発端として、数々の問題が勃発。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。そんな中、主宰・春川巧にも問題が……。どうなる『シアターフラッグ』!?
１巻では劇団運営に重きを置かれていたが、それが一応軌道に乗った２巻は人間模様がメイン。そしてそこは有川作品、普通の人間模様なわけもなく、描かれるのはシアターフラッグ内の恋愛模様。しかもドロドロしたもののない爽やか系。さすがは甘党有川先生、本領発揮ですね。
まず言いたいのはこれ。
司先生、個人面談お疲れさまでした！
君ら司さんに頼りすぎだｗ 工務店勤務の司がこんなに時間を割いていたら寝る時間なくなる、なんてフィクションのキャラに心配してしまうくらい司がよく動く。
対して劇団員たちは、あまり年の変わらない司が先生に見えるほど良くも悪くも子供っぽい。でも、だからこそ感情がストレートで恋愛模様が面白い。
石丸の横恋慕以外は綺麗に分かれた四組の中で、読んでいて楽しいのは千歳と司。というか真剣モード以外で完全に甘えている状態の千歳を眺めているのが楽しい。
でも、くっついた後に上手くいきそう小宮山とゆかりだけのような気がする。他は時間や意識にすれ違いが起きそうかなと。なんて夢想もしつつ結局四組それぞれに楽しんだのでした。甘いの大好きですから。
恋の行方も劇団の行方も決着がつくであろう３巻が待ち遠しい。
