いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき」玩具堂(スニーカー文庫)

子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき (角川スニーカー文庫)
子ひつじは迷わない  回るひつじが2ひき (角川スニーカー文庫)

生徒からの信頼度が急上昇中の「迷わない子ひつじの会」。生徒会長の機嫌が上々なのはよいのだが、今度はどう見ても生徒じゃないメイド服姿の女の子を連れてきた、しかも彼女の相談は“オムライスが殺しを呼ぶ怪事件”とやっかいな内容で、成田真一郎ことなるたまたちには手におえない! こんな時はやっぱり隣の部屋の毒舌ツンダラ娘、仙波に力を借りに行くしか☆ω☆ しかし彼女はいつも以上に不機嫌でやる気がなくて――!?

放課後なんでも相談室in生徒会室、ミステリ風味コメディ第2弾。



軽くて読みやすく安定して面白い。
分散されたヒントが綺麗に一本に繋がっていく仙波の解答が気持ちいい第二話など、話そのものが面白かったものもあるが、それよりも事件や問題を解決していく中で見える人間模様が面白かった。佐々原→成田→仙波と一方通行で、気になっている程度の微妙なラブ加減の関係性が、青春してるなーって感じでとても良い。
第三話なんかは、先生はともかく問題の生徒の悩みもその解決方法も共感できなかったので、話としてはイマイチだったのだが、佐々原の動きだけを追うと最高の回。自分がズレていることを自覚し変わろうと積極的に動く姿や、仙波目線だとヤキモチを妬いている様に見える佐々原の姿が可愛い。特にエピローグの『わるいこと』は最高のニヤニヤポイント。
と、少しだけ恋愛の匂いがしてきたところで、最後のこれは四角関係フラグか?