いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「四畳半王国見聞録」森見登美彦(新潮社)

四畳半王国見聞録
四畳半王国見聞録

世界は四畳半の内部にこそ存在しているのだ――ある男は数式による恋人の存在証明に挑み、ある男は桃色映像のモザイクを自由自在に操る。彼らを見守るは、神出鬼没の水玉ブリーフ男。純粋なる四畳半主義者たちによる、めくるめく7つの宇宙規模的妄想が、京の都を震わせる! 阿呆らしくも恐るべき物語。


四畳半に漂う男臭さ、哀愁、そしてそれを醸しだすどうしようもない阿呆たち。森見ワールドを120%堪能した。
独自の世界観や阿呆な理論はもちろん、『四畳半神話大系』のあの人や、他の作品にもよく顔を出すあの人が出てきてニヤリとさせてくれるので、森見ファンなら楽しめること請け合い。
ただこれ、普通の短編集で『四畳半神話大系』のように面白い仕掛けがあったり、それぞれにストーリーがあるわけでも何か驚くことが起こるわけでもないから、森見さんの作風を本当に好きな人じゃないと楽しめないだろうなぁ。



以下各話毎一言

四畳半王国建国史
見事な出オチw
いきなりこんなに濃〜い阿呆理論を読まされるとは。



蝸牛の角
場面変換の仕方が独特で、それを脳内映像でイメージできるのが楽しい。
一番のお気に入り。



真夏のブリーフ
桃谷さんの妄想力に脱帽。こんなカップル嫌だよw



大日本凡人會
この人たちの能力は割と使えると思うのだけど・・・数学の人以外w
しかし初音さんは恐ろしい人やで。



四畳半統括委員会
パンフレットから自著の流れで笑った。
鈴木くんは折角のチャンスを・・・



グッド・バイ
語り部の嫌われっぷりが泣ける。でも笑える。でも最後は痛々しくてまた泣ける。



四畳半王国開国史
四畳半がいつの間にやら大パノラマに。この部屋どれだけカオスな状態になってるんだろう。