いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「シロクロネクロ」多宇部貞人(電撃文庫)

シロクロネクロ (電撃文庫)
シロクロネクロ (電撃文庫)

「オレは死ぬ前に一度くらい、女の子とえっちしてみたかったんだよおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!」
 ちょっと……というか死ぬほどえっちな高校二年生・不二由真は、不慮の死から強い未練を糧にゾンビとして蘇った。彼を蘇らせたのは、善い屍霊術師(ネクロマンサー)・シロネクロの美少女・高峰雪路。彼女は秘宝“死者の書ネクロノミコン)”を悪い屍霊術師・クロネクロに狙われ、由真が巻き込まれ死んでしまったことを教える。そして、由真を守るために「一緒に暮らしなさい」と命じるのだった。その言葉に喜ぶ由真だったが、欲望を満たすと成仏してしまうためえっちな行為は禁止と知って悶絶する。雪路はそんな由真を元の人間に戻そうと父の親友・八尾(やお)の助言を仰ぐ。
女の子との楽しい共同生活のはずが、さらなる大波乱に巻き込まれてしまい!?
第17回電撃小説大賞<大賞>受賞作!


見事なまでに好みと合いませんでした。
近年の大賞作では「お留守バンシー」や「ほうかご百物語」などと同様に、軽快な会話などのコメディとしての完成度を評価されての大賞だと思われる作品で、読みにくさなどは全然感じなかった。そういう意味では流石大賞と言えるのかもしれないけど、面白いと感じるかどうかはまた別の話で・・・。
まず一つ、下ネタの質が合わなかった。
個人的な基準での話ではあるが、笑える下ネタの境界線を少しだけ超えてしまった。そこを超えた下ネタは不快に感じるだけ。それに押しの強い主人公は嫌いではないが、由真のように女の子の迷惑をあまり考えないタイプは好きじゃない。
もう一つはアクションシーン。文体は軽いが血生臭い。血、ダメなんです、ええ。描写力があり、状況を簡単に想像出来てしまうことが完全に裏目に。
ラノベ業界では最大の電撃小説大賞の大賞作品、面白いと思う人も間違いなくいるんだろうけど、自分との相性はとことん悪かった。