いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「アイドライジング!」広沢サカキ(電撃文庫)

アイドライジング! (電撃文庫)
アイドライジング! (電撃文庫)

アイドライジング。それはアイドルたちが己の夢と希望を懸けて戦う、新時代の一大エンターテインメント! 各企業の科学技術の粋を集めて作られたバトルドレスをその身に纏い、美少女たちは華麗にステージを舞う──!
『さぁて、本日は採れたてぴちぴち産地直送アイドルの登場です! 名前はアイザワ・モモ! そのファッションモデルもびっくりな恵まれた体躯だけでなく、素朴で元気いっぱいな人柄を気に入られたモモちゃんは急遽株式会社ミニテックスのアイドルになったそうです! 彼女を支えるのは若手プロデューサーのオウダ・サイ! 果たして凸凹二人三脚でどのような戦いを見せてくれるのでしょうか!? そして襲い来る難敵に打ち勝つことができるのか──!』

第17回電撃小説大賞<金賞>受賞作。近未来女子プロレスのような興行(エンターテイメント)・アイドライジングを舞台としたシンデレラストーリー。



そこそこ面白かったのだが、どうにも印象が薄い。
多分原因は二つ。
この作品の華であるはずのバトルシーンが淡々としていてイマイチ盛り上がらないのが一つ。アニメなら問題ないけど、この文章だけだと設定の華やかさのわりには地味かなと。
もう一つは主人公のモモが一度も挫折を味わっていないこと。試合で苦戦しているだけでは感動はない。やっぱりバトルがメインの話なら、どん底からの復活とかリベンジとか熱い展開が欲しいよなぁ。
純朴で泣き虫で元気いっぱいなモモは可愛いく、そんなモモの成長もあり、スキンシップ大好きなモモとガチな人のおかげで百合っぽいシーンが多くあったりと、部分的には良いところがいくつもあった。でも、全体的に見ると今一つパッとしない、華やかな世界観を生かし切れていない感じが否めない。
映像があってこそ映える作品だと思うので、アニメ化まで頑張っていただきたい。



サイちゃん視点でプリンセスメーカーのような育成SLG+格ゲーみたいなゲーム化も面白そうかも。・・・あ、どっちもやらないジャンルだわ。説得力無いなー(^^;