いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「狼と香辛料 XVI 太陽の金貨〈下〉」支倉凍砂(電撃文庫)

狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)
狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)

デバウ商会によって新貨幣が発行され、自由と希望の町となるレスコ。ロレンスはその町で、ホロと共に店を持つことを決める。
しかしその矢先、ホロとロレンスの前にコルのズダ袋を持った人物が現れ、二人はデバウ商会の内部分裂による大きな事件に巻き込まれることとなってしまう。
ホロは、禁書を得るためコルとエルサを追ってキッシェンへ。ロレンスは、デバウ商会に追われミューリ傭兵団とともに雪山を越えることになる。バラバラになってしまった二人の運命は――?
行商人ロレンスと狼神ホロの旅を描く新感覚ファンタジー、ついに本編感動のフィナーレ!


旅の終わりではなく、二人の選んだ道を描いた最終章。
しかしひどい寸止めだった。終わり方ではなく、その直前のシーンが。あそこまで来たら最後の一押しは自分で行こうよ、男なんだから。それでも最大級のニヤニヤポイントなんだけどさ。
さて、そこまで行く過程はというと、これまたニヤニヤポイントの連続。
持てるはずだった店は早々にダメになり、その上デバウ商会の内部分裂に巻き込まれて終われる身にと、生死に関わるこれまででも最大級のピンチのはずなのに、笑みが止まらない。仕方ないよね、これだけ仲睦まじい姿を度々見せ付けられたら。離れていても相手ばかり考えているんだから。中でも口絵+挿絵で見開きの雪山のシーンと、ラス前のシーンは格別だった。
あとは、本編は終了した後の未収録短編+後日談のもう一冊か。最近の電撃文庫の定番コースだね。
個人的には終わり方はこれでいいと思うのだけど。物足りないとは感じなかった。だって、ヨイツに行ってもホロが泣いて、その後イチャイチャするだけでしょ?w
それは半分冗談としても、二人なら店を持って腰を落ち着けてもそう出来なくても、二人でいるだけで満たされていることは間違いなく、ホロは先の覚悟はもう出来ているし、ロレンスは何を残せる考えていくだろう。そんな二人のこの先を語るのは野暮ってもんだと思うんだ。
・・・まあ、出たら間違いなく読むんだけどね。