いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「喰―kuu―2」内田俊(MF文庫J)

喰-kuu-2 (MF文庫J)
喰-kuu-2 (MF文庫J)

すぐれた戦士には例外なく、賞賛と敬意をこめて二つ名が送られる。ある者は《氷山に咲く花》と、またある者は《四つの胃袋を持つ男》と、そして彼女はかつて、こう呼ばれた戦士だった――《極大引力》。
大食い少女・井ノ原みのりの勇姿に魅せられ、『過食倶楽部』に入部したハチに早くも訪れた危機、それは次の対外試合で勝たないと部室が取り上げられてしまうという事態だった。しかも頼りのみのりはテストで赤点のため、追試に合格しないと部活ができないという大ピンチ。まずはみのりに勉強を教えようとするハチだったが――。五人で初の団体戦&『みのりvs真白』の女の戦いも勃発!! 熱血大食い小説第2弾!


変わらぬおバカなノリで面白かった。
てか、バカな子だったのね、みのりちゃん。天然ぽいけど唯一の常識人だと思われたみのりにも残念なところが見つかって、過食倶楽部が全員が残念な人たちだと判明。鬱、レズ、おバカ、変態、ケツ毛ファイヤー・・・凄い面子だw
そんな奴らの日常が面白くないはずがない。今回は先輩二人は影が薄かったが、ハチ(ツッコミ)とみのり(ボケ)の夫婦漫才に、アバラギさんのあんまりな扱われ方と一年生ズが笑える。
それに前回は前面に出しすぎてすべり気味だった小ネタも、悪くなく地の文やコメディパートは断然面白くなっていた。
だけど、肝心の大食いが・・・。
対戦相手が出来てさらに熱くなるかと思ったら、逆に悪くなった。
大食いがメインなので食べ物そのもの描写が美味しそうじゃないのは目をつぶるとしても、この状況の把握しづらさはいかがなものかと。接戦や大逆転な展開でも、これでは熱くなれない。
特に最終対決は「ルーキーがちょっと気合入れただけで歴戦の強者に勝っちゃいました」で、どうやって盛り上がれと。追い込まれて覚醒とか、実は秘密特訓してましたとか、大逆転する要素がないとポカーンだよ。
微妙だったところは良くなったのに、良かったところは悪くなった2巻。もどかしさを感じる一冊だった。