いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「氷結鏡界のエデン6 水晶世界」細音啓(富士見ファンタジア文庫)

氷結鏡界のエデン6 水晶世界 (富士見ファンタジア文庫)
氷結鏡界のエデン6  水晶世界 (富士見ファンタジア文庫)

「弱く役立たずの巫女が、希望を与えるような言葉を口にするな」
冷たく響くホルンの声に、決意を持ってユミィは答えた。
「もし私が負けたら――あなたの言う通り巫女を辞めます」
浄化の巫女・ユミィの存在を否定する千年獅・ホルンが、天結宮に帰還した。シェルティスは、ホルンとの軋轢に苦しむユミィの支えになりたいと願う。しかし、彼もまた一通の怪文書で窮地に陥る、
即ち――「護士の中に人の形をした幽玄種が潜んでいる」。
緊迫した状況の中、強力な幽玄種まで出現。討伐に向かうホルンは、ユミィにある“賭け”を持ちかけるのだが……!?
“強さ”と“弱さ”の意味を問われる、重層世界ファンタジー


ユミィ成長回。そしてまた新キャラ(もちろん女性)が登場。
その新キャラホルンさんは広義的に見ればツンデレ(多分)。ツンは痛々しかったけど、デレの方はなかなか。不器用に照れる長身の美人と健気な獣耳少年。うん、いい構図だ。
物語全体としては、前シリーズと繋がる要素が一気に出てきて楽しみが増えたのが嬉しいところ。ユミィと対話したあの人の脳内映像が竹岡絵だったのは私だけじゃないはず。
しかし、このしんみりムードになり切れないのはいい面なのか悪い面なのか。このシリーズは前シリーズに比べて会話の内容がコミカルかつ軽快で、読みやすいのが良いところなのだけど、今回のエピローグ前のユミィや乱入者のように、もう少し小さな感動に浸らせてくれてもいいのに、と思うことが何度かある。個人的には前シリーズの世界観だけでなく、雰囲気も持ち込んでくれると嬉しいのだけど。


あ、無双先生は裏方お疲れ様でした。