いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)
ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)

キリトとシノンが巻き込まれた《死銃(デス・ガン)》事件から数週間。
妖精アバターによる次世代飛行系VRMMO《アルヴヘイム・オンライン》にて、奇妙な騒動が起こる。新マップ《浮遊城アインクラッド》、その第24層主街区北部に現われる謎のアバターは、自身の持つ《オリジナル・ソードスキル》を賭け、1体1の対戦(デュエル)で、すべてを蹴散らし続けているという。
《黒の剣士》キリトすらも打ち負かした、《絶剣》と呼ばれるその剣豪アバターアスナも決闘を挑むのだが、結果、紙一重の差で敗北してしまう。
しかし、そのデュエルが終わるやいなや、《絶剣》はアスナを自身のギルドに誘い始めた!?
《絶剣》と呼ばれるほどの剣の冴え。そこには、とある秘密が隠されており──。
マザーズ・ロザリオ』編、登場!


アスナ回。ヒロインが、ではなくアスナ視点のアスナが主人公の回。
しかし、主人公が誰であってもストーリーは王道。今回の話は、明らかに泣かせに来ているのが分かって身構えているのに、しっかり目頭が熱くなってしまう。その筆力には完敗です。
それにしても今回は、SAOにしてはゲームの影が薄かったなと。
ゲーム後の現実での繋がり、そこから成長するアスナがメインの話だったというのもあるけど、フルダイブの医療活用の可能性が示されていたことと、キリトのどこか浮世離れした雰囲気が、ゲームという枠と現実とVRの境目を曖昧にしていた気がする。ユウキのある一言もあって、キリトがこの先どこへ向かうのか、アスナの手の届かないところへ行ってしまいそうな不安を掻き立てられる、そんな一面もある話だった。
今回は熱い!面白い!というより、涙を誘い、アスナの成長も見れる素直に感動できる話。
個人的希望を言えば、もっとキリトとイチャイチャするニヤニヤエピソードが欲しかったのだけど、それは“ヒロイン”アスナに期待ということで。この先そういう回があるのかは知らないけど。



しかし、裏方でもブレないキリト先生マジパネェっす。
「どんな高速魔法でも対物ライフルの弾丸よりは遅い」の一言と周囲の「これだから……」の反応でくっそワロタwww