事故で亡くなった二十四人のクラスメイトの最期の想いを背負う少女・テルミー。事故を免れた少年・清隆と共に、テルミーはクラスメイトたちの願いを叶えるため、その身に宿った彼らの能力を支えに、走り出す。薔薇を育てていた少年が伝えられなかった想いを届けるために。主演女優と脚本家の二人を失った映研部にもう一度映画を作る喜びを思い出してもらうために。悲しみとやさしさが奏でる物語、第二章をあなたに贈ります。
開いたらお尻でした。
口絵の最後のページ、一番開きやすいところにどどーんとw
とじ込みの口絵の輝美さんは反対にしといた方が良かった思うんだ。
鬼塚輝美に憑いた24人の最後の願いを叶えていく物語第二弾。
1巻は評判の割にはあまりピンとこなかったのだけど、2巻目にして良さが分かった。
1,2章は想いを告げる西川(故)ではなく三隅家の事情がメイン、3章は残された先輩とその人を慕う1年生が中心、そして清隆に思いを寄せる新しいクラスメイト。この作品の良さは死んだ人の想いよりも、残された人を大事に描くことにあるのだと思う。
大切な人が苦しんでいたら自分の想いよりも手助けを優先し、自分たちの死のせいで止まってしまった人には背中をそっと押してあげる。テルミーに宿ったクラスメイトがそんな優しい奴らばかりだから、読んでいると泣きたくなるし、凍ったテルミーの心も溶け出すんだろうなあ。
ぜひ続いてほしい良作だけど、作者が遅筆っぽいからどうなんだろう。輝美本人の願いが叶うところまで行くと、このペースだと20年後くらい?w