いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール」井上堅二、田口仙年堂他(ファミ通文庫)

ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール (ファミ通文庫)
ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール (ファミ通文庫)

"青春"の数だけ"出会い"がある??。"3分間"をキーワードに独自の世界観で描かれる珠玉のボーイ・ミーツ・ガール。人気作家・井上堅二の贈る、幼馴染みとの窓越しの恋模様『三分間のボーイ・ミーツ・ガール』、野村美月が描く、猫嫌いの女の子への一目惚れの顛末『こっちにおいで、子猫ちゃん。』、新鋭・庵田定夏の紡ぐ『ガチで人生が決まる面接に行ってくる』など、書き下ろし8篇を含めた全19篇! 切なく甘くほろ苦いショートストーリー集。


タイトル通り、“三分間”と“ボーイミーツガール”がお題の19人の作家による短編集。
ボーイミーツガールらしい恋の予感を感じるストレートな作品あり、作者の色を出した変化球あり 暴投としか思えない作品ありとバラエティに富んだ内容。


以下作品毎
珍しく★の数(★〜★★★)でランク付けしてみた(注:星の数はあくまで好みの問題です。




「3min.30cm」田口仙年堂
★★★ 男の子のそわそわした感じと恋の始まりの予感がなんともこそばゆい。ガーゴイルの12巻といい、田口さんはもっと恋愛ものを書いてくれればいいのに。



詰め込み教育の弊害と教室の片隅に彼女」日日日
★ ややこしくしただけで、恋愛もの以前に話としての面白味がない。



「ガチで人生が決まる面接に行ってくる」庵田定夏
★★ ボーイミーツガールらしい恋の始まりの予感が◎。テンパり少女の一生懸命さが可愛い。



「ねこなぶり」嬉野秋彦
★ お姉さんの意見に賛同。猫投げちゃだめ、絶対。変化球でもないのに恋の匂いが全然しない。



「三分間の神様」榊一郎
★★ 深夜3分間の逢瀬(電話)というシチュエーションが良い。オチというか最後の一言がちょっと好みじゃないかな。



「七年前のマリッジリング」本田誠
★★ 女の子の好みだけでいうなら一番かも。でも、説明に圧迫されて話がちょっと忙しない。



「お湯を注いで」櫂末高彰
★★ 3分=カップラーメンが一人だけとは意外だった。こんなが娘出てきたら毎日食べても仕方ない。しかし、24時間て・・・冷めてるよw



「こっちにおいで、子猫ちゃん」野村美月
★ 決まり手=押し出し。恋愛ものでテンションの高く押しの一手の男の子は苦手。バトルものならその性格でもいいんだけど。



ネオンテトラのジレンマ」綾里けいし
★ ボーイミーツガールじゃなくてサイコホラーじゃん。B.A.D.の人か・・・文章を血生臭くするの上手いなあ(^^;



「5400万キロメートル彼方のツグミ庄司卓
★★★ スペースロマンとAIの自我という設定がツボだった。ツグミの健気な想いと、主人公の一途さに涙。



「先輩にリモコンを向けてみた」前書き
★★ これは素晴らしいアンケートですね! 男の子が気持ちいいバカなのも◎



「トキとロボット」羽根川牧人
★★ こういう感情を持たないはずのものが、感情でプログラム外の行動を起こす作品は結構好き。



「ロイヤルコーポあさひの真実」竹岡葉月
★★ これは悩ましい。傍から見ている(読んでいる)分にはニヤニヤだけど。最後の彼がヘタレすぎるのがマイナス。



「QとK」築地俊彦
★ スリルを感じてこその作品だと思うんだけど、あまり感じないんだよなぁ。それに三分があまり意味をなしていない。



「3分間のABCD」はせがわみやび
★ そんな説明で納得する警備員がなんているかっ! 短いのに女の子の設定を複雑にし過ぎな気が。



「杉本遥は男前っ!」新木伸
★★★ ベッタベタだけど最も続きが読みたいと思った作品。悩め男の子!



「call」佐々原史緒
★★ 折角の決意の邪魔をする数々の小さな障害。彼の焦燥感ともどかしさがダイレクトに伝わってくる。それを少しでも晴らす意味でも、最後に一言二言でいいから会話が欲しかった。



「彼女に関する傾向と対策」田尾典丈
★★★ ちょっと変わった彼女とバカ正直な彼のやり取りにニヤニヤが止まらない。この尺で彼女の性格を端的に表し、ギャップ萌えを発生させた作者の筆力に感服。



三分間のボーイ・ミーツ・ガール」井上堅二
★★ オチが酷い!二重に酷い!(褒め言葉w バカテス本編よりあとがき寄りのテンションかな。