いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ねこPON!」吉村夜(スーパーダッシュ文庫)

ねこPON! (集英社スーパーダッシュ文庫)
ねこPON! (集英社スーパーダッシュ文庫 よ 2-2)

過去のある事件をきっかけに感情が希薄になってしまった高校生・神木優は学園の理事長のすすめから、異世界から訪れる危険な『客人(まろうど)』を友好的な客人と協力して送り返すというアルバイトをすることに。
客人のパートナーと同居することになったユウの元にやってきた美少女・ミケは、なんと猫!
しかもただの猫ではなく、美少女の姿に変身できる猫梵という客人だった。
かくして、ユウと美少女ときどき美猫なミケの共同生活がはじまるのだけれど…!?


猫を愛でつつ主人公が心を取り戻していく疑似家族もの。
という大筋は好みど真ん中なのにイマイチ心に響かない。
恐らく主人公に対する「家族を失って感情が希薄になった」の説明があまりにも多くて鼻につくのが原因。後半になるとしつこくてうんざりしてくると同時に、押しつけがましいというか、無理やりハートフルな方向に持っていこうとしているようで感動が薄れてしまっている。印象付けとしては明らかな逆効果。
あと、猫スキーを自称するならもっと猫成分があって欲しかった。
この作品に出てくるのは猫梵という異世界の生物で猫ではないのだが、せっかくの猫の姿なのだから撫でるだけじゃなく、もっともふもふしたり、狭いところで丸まってるのを愛でたり、気まぐれにじゃれてくるのと遊んだり、出来ることは色々あったと思うのだけど。タマちゃんは可愛かったけど、これは猫としてではなくて幼い子供としての可愛さだよなあ。
あらすじと序盤がかなり好みだっただけに、期待しすぎたのかもしれない。