いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「東京レイヴンズ6 Black Shaman ASSAULT」あざの耕平(富士見ファンタジア文庫)

東京レイヴンズ6 Black Shaman ASSAULT (富士見ファンタジア文庫)
東京レイヴンズ6  Black Shaman ASSAULT (富士見ファンタジア文庫)

思い出の中の大切な少女、北斗の正体は、夏目――?
実技合宿以来、そんな疑念が拭いきれない春虎。北斗への自分の気持ちが整理できないままの春虎は、夏目に対しても今までのように接することができず、二人の仲は次第にぎくしゃくしたものになっていく。一方、『上巳の再祓』以降、その脅威が現実的なものとなった『D』は、陰陽庁に宣戦布告。事態を重く見た陰陽庁は『十二神将』を配置し迎撃を試みる。いち早く情報を察知した陰陽塾でも、警戒を強め、密かに準備を整えるのだが――!?
すれちがう式神と主、激しさを増す陰と陽の戦い。若き闇鴉たちを取り巻く戦いは、いよいよ本格的になり!?


早くも道満参戦!で後半がめちゃくちゃ熱かった。
まずはいつもの5人+鈴鹿。力を合わせて道満の式神をなんとか退けていくシーンは3巻の鵺戦以来の熱さ。おまけで小悪魔からツンデレジョブチェンジした鈴鹿が可愛さアピールw
しかし、その後に待っていたのはそれが前座にもなっていない大友vs道満のガチンコ術バトル。
道満の圧倒的なパワーに対抗する大友の機転と捨て身の戦術に手に汗握る。大友は元々出来る人とは分かっていても、普段がちゃらんぽらんなので2割増しでかっこよく映る。
そして、その戦闘の激しさもさることながら、ラスボス級の扱いになると思っていた道満を惜しげもなく使い潰す展開に驚愕。春虎たちとの明らかなレベルの違いと確実に道満以上が出てくる事実が怖くもあり、あれを見た春虎たちがどう成長してくれるのか楽しみでもある。
ただ、前半というかメインのキャラの扱いがどうにも腑に落ちない。
まずは春虎。悪いけど、どうして悩んでいるのかちっとも理解できない。
葛藤の内容はどれも夏目=北斗を否定する材料になってないし、なんで本人に聞いて肯定されると関係が崩れると思っているのかも理解不能。まあ、元々気付かないこと自体凄く不自然なんだけど。
それと天馬。
話が彼の思い悩むところから始まったので彼の成長が見られるのかと思ったら、仲間に叱咤され立ち直ってからは空気。才能開花までは行かなくても目指すべきところを見つけるくらいはあってもよさそうなものだけど。これは今後もお荷物のままなのか? 
そんなわけで、後半の怒涛の戦闘シーンに燃えつつも色々とモヤモヤする回だった。