いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ココロコネクト ニセランダム」庵田定夏(ファミ通文庫)

ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫)
ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫)

新メンバーの千尋紫乃が加わり、来たるべき体育祭に向けて盛り上がる太一たち文研部。だがそんな一大イベントを前に1年生のふたりはどこか浮かない顔をしていた。そんなある日、太一は伊織から「未練がある」と告げられる。さらに周囲の言動から立ち上る強烈な違和感――信頼しているからこそ相手の言葉を疑いなく受け入れてしまう5人、そんなメンバーを陰で嘲笑うのは太一たちが予想もしない人物で……。愛と青春の五角形【ペンタゴン】コメディ、絆を貫く第5巻!!


新しく加わった新入生2人の視点で綴られるシリーズ6作目(5+1)。
う〜ん、いつもと違ってどうにも気持ち悪い。
これまでも前半は〈ふうせんかずら〉にやられているモヤモヤ感はあるのだけど、それとは別種の気持ち悪さ。
その理由は前半メイン視点である千尋の心情が理解できないこと。
〈ふうせんかずら〉に乗せられて楽しんで悪事を働いているのだが、どこが楽しいのか理解不能。そしてばれた後は精神年齢幼すぎてまるで小学生を見ているよう。せめて中二病くらい発症していてくれれば痛い子だなくらいで笑えて読めたのに。
それに比べて紫乃はネガティブな発言に似合わない行動力が魅力的。千尋を引っ張る役だったというのもあって、明るさを振りまいてくれていて読んでいて気持ちが良かった。おまけで毒舌もグッドw
後半になってその紫乃視点が増え、吹っ切れた後の千尋も青臭さ全開なので、青春と成長の『ココロコネクト』を読んでいるって気分になれたのは良かった。
それでも、シリーズ中一番ノリきれずスッキリしない話だった。新入生は歓迎だけど、やっぱり“5人で力を合わせて”という方が好きかな。
エピローグから察するに、次は稲葉か太一のどちらかに個人攻撃が来るのか?