いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「キミはぼっちじゃない!」小岩井蓮二(MF文庫J)

キミはぼっちじゃない! (MF文庫J)
キミはぼっちじゃない! (MF文庫J)

稲葉悠大にはロリコン疑惑があった。幼女のパンツを手にさまよっていれば誰だってそう思うことだった。決定的な場面を見られてしまい、警察に通報されそうになる悠大だが、これにはとある訳があった! ――子育て。そう、悠大は幼なじみのしおりと二人で、五歳のリリィを本当の両親が見つかるまで育てているのだった。……これなんていい話? ドS少女ほのかや委員長に妨害……いや助けられながらもハ〜トフルな子育て日誌を開始するが、悠大をストーカーする電波少女・エレナが衝撃の事実を告白してきて!? 新世代ロンリーボーイ・ミーツ・ロンリーガールラブコメディ!


パーツは上々なのに出来上がりが……。説明書を見ずに接着剤で強引に組み立てたプラモデルみたいだな、と。


キャラ作りは上手い(主に女性陣がいい)、幼馴染みとの夫婦漫才はテンポが良くて面白い、シリアスもコメディもシーンごとで見ればなかなか。
だがしかし、
ストーリーが繋がっていない。書きたいシーンを並べて平行世界という取って付けたような設定で無理やりくっつけただけ。主人公が最後だけ別人なのはどういうことなの? タイトル詐欺にしないための辻褄合わせ?
幼馴染みとのイチャイチャ、濃い同級生達との学園生活、子育ての苦労と喜び、平行世界というSF設定、主人公の心の傷などいろいろの要素が詰め込まれていたけど、焦点を絞っていないので全部中途半端。2つか多くても3つくらいの要素に絞って掘り下げてくれれば違った話になっただろうに。
題材も各要素も悪くないだけに、もったいないという気持ちが強い作品だった。