いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「覇道鋼鉄テッカイオー」八針来夏(スーパーダッシュ文庫)

覇道鋼鉄テッカイオー (覇道鋼鉄テッカイオーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
覇道鋼鉄テッカイオー (集英社スーパーダッシュ文庫 は 6-1)

心身を極限まで鍛え、兵器をも超えた力を持つ存在・武侠
童貞のみが使える強力な武術『童子神功』を使うカザンは、ある時、相棒の美少女・ルゥランと共に海賊から一人の姫君を助ける。
しかし、同時に海賊の背後に控える恐るべき敵の存在を知ることとなる。
カザンたち『銀河武侠』の最大の敵対者『暗黒武侠』が姫君・アルフェミナを狙っていたのだ!
しかもその男・グントラムは、カザンとルゥランの人生を狂わせた原因ともいえる、宿縁の相手だった…!
銀河を揺るがす武侠たちの戦いが、いま始まる!
第10回SD小説新人賞大賞受賞作、堂々刊行!

宇宙+ロボット+武侠という組み合わせに下ネタ多めのギャグ。90年代のアニメにありそうな作品。



まず目に付くのは説明過多な文章。ライトノベルで読んでも読んでもなかなか進まない状況というのを久々に味わった。それに新しい単語が出てくるたびに説明になるので、それまで何をやっていたか忘れることもしばしば。
でも、世界感やキャラクターはいい。
ギャグ多めのロボットものは懐かしい気分にさせてくれる。オブラートに包まない下ネタとギャグのセンスもなんだか古めかしい。
キャラクターはお金に細かく料理上手の生真面目主人公は共感でき、肉感的で行動がやたらエロい反面、中身は純情で可愛いヒロインはかなり好み。その二人のラブラブっぷりにもニヤニヤ出来る。
そんな感じの一長一短で自分の中での評価を決めきれないでいたのだが……終盤が気に入らない。
最後の決戦、燃えるべきシーンのところで童貞ネタ入れるなよ。シリアスなシーンを和ますのならいいけど、熱いシーンをネタで脱力させられるのは凄く嫌。イラッとする。
そんなわけで、説明過多を抜けた後半は面白かったのだが読後感はあまりよろしくなかった。