いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「カミオロシ弐 〜人形供養の儀〜」御堂彰彦(電撃文庫)

カミオロシ〈2〉人形供養の儀 (電撃文庫)
カミオロシ〈2〉人形供養の儀 (電撃文庫)

人形が持ち主の下に帰ってくる。生徒たちの間で囁かれる噂。玖流は同級生の皐月から人形供養について相談を受ける。燃えるゴミの日にでも出しておけと、玖流は取り合わなかったが、皐月は二階から転落。異様に人形に怯えているという。
玉響神社――地元では人形供養で知られた古社である。結局、皐月は供養に訪れたはずなのだが。事故と切り捨てる玖流に、神社に問題があるのではと憤る美古都。美古都に無理やりお供を命ぜられた玖流は渋々神社へと向かうのだった。
神社の説明に不審点はなかった。だが、何か違和感を覚える。そんな彼らを待っていたのは皐月の死だった。何かあると探りだした玖流と美古都は、恐るべき秘密へと辿りつくのだが!?


オカルトホラー&ミステリ第2弾は人形にまつわるお話。
今回はミステリ色薄めでホラー重視。と言ってもあまり怖くないのだが。
主人公の玖流が冷静すぎるのが怖くない原因のような気がする。無数の人形が襲ってきても、驚きはしても怖がらず対処しちゃうんだもんなあ。
でも、その何事にも動じない精神力と真相に迫る鋭い洞察力、真実を知るため手段を選ばない思い切った行動力は、ある種のオレツエー小説とも言うか、主人公の活躍を読むという点では面白い。
また、幼馴染みの美古都との罵り合いという名のイチャイチャも見どころ。言葉使いは乱暴だが照れ隠しとからかいが90%で、あれでは傍目にはじゃれ合っているようにしか映らないだろうなあとニヤニヤ。あるキャラが呟いた「二人は仲良しさんなんですね」には全面的に賛同せざるを得ない。
ホラーが怖くなかったり人が死ぬ話なので後味苦めな面もあるが、不思議と読み手を惹きつける魅力のある文章は健在で、2巻も面白かった。楽しんでいる点が主題と違うような気がしなくもないw