いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「侵略教師星人ユーマ」エドワード・スミス(メディアワークス文庫)

侵略教師星人ユーマ (メディアワークス文庫)
侵略教師星人ユーマ (メディアワークス文庫)

どこにでもありそうなのどかな港町。唯一よそと違うのは、この町の海が宇宙人によって占拠されていることだった。
ある朝、宇宙船に向かって怒鳴り散らす青年を舞依は見かける。自らが真の侵略者であると意味不明なことを説く青年を見て、登校前の高揚した気分が萎える舞依だった。
舞依の災難は終わらない。なんと新しい担任が、あの青年、ユーマだったのだ。言動は変だが、どこか筋が通っているユーマはいつの間にか生徒達の人気者に。だが、彼にはとんでもない秘密があり!?

第18回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞〉受賞作。
10年前、海を宇宙人に占拠された港町。しかし彼らはこちらから仕掛けない限り何もしてこない。視界に映る宇宙船以外は大きな問題はなく不安を感じながらも日常を送っている町に、宇宙人を名乗る先生と生徒の兄弟が引っ越してくる。といった内容。



『痛快、宇宙人先生』と銘打ちたいユーマ無双の物語。
この物語の中心であるユーマはそこに居るだけで気持ちが晴れそうな好人物。
教師としてのユーマの子供たちに体当たりな姿勢や授業での考え方は、こんな先生いたら教わってみたいと思わせる魅力に溢れているし、宇宙人としてのユーマの圧倒的な強さは痛快の一言。
まあ、こんなにいい子たちばかりなら今の教師も仕事が楽だろうなあとか、10年来のわだかまりがそんな簡単に氷解するか?とか、少し出来すぎでう〜んと思うところもなくはないが、ある意味俺TUEEE小説だからこれくらいで丁度いいか。
読むとスカッとする、そんな作品だった。


でもこれ、何故電撃文庫でなくメディアワークス文庫で出したんだろう。メインは高校生、何種もの宇宙人が登場、最後はド派手アクションと何でもありのライトノベル的な内容なのに。教育現場やエコなど現代社会に物申す!みたいな内容も含まれているから?