いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「氷結鏡界のエデン9 限界決戦―アマリリス・コーラス―」細音啓(富士見ファンタジア文庫)

氷結鏡界のエデン9 決戦限界‐アマリリス・コーラス‐ (富士見ファンタジア文庫)
氷結鏡界のエデン9 決戦限界‐アマリリス・コーラス‐ (富士見ファンタジア文庫)

「単純この上ない二択です。このまま穢歌の庭の扉が開ききって浮遊大陸が滅亡するのを待つか、それても、ありとあらゆる犠牲を覚悟のうえでセラの虚像と戦うか」
氷結鏡界を突破した三体の強力な幽玄種――『セラの虚像』。天結宮を追放されたシェルティスの前に現れた異篇卿イグニドは、セラの虚像を一緒に倒そうとシェルティスに提案を持ちかける。
一方、天結宮では巫女のユミィが統政庁のゼアドールたちと共にセラの虚像の討伐に向かうことになり――。交錯するそれぞれの思惑、壮絶なる死闘、そして明かされるイグニドの正体――。
絶望の中で少女の祈りが世界を守る、重層世界ファンタジー


前巻の最後に出てきた3体の強力な幽玄種と対峙するバトル回。
天結宮、統政庁、異篇卿が敵味方関係なく協力して世界の危機に対抗する展開で、前の巻まで異篇卿と戦ったりイグニドの企みとは?とかやってたのに急にチーム戦になったことには違和感がないこともないが、ピンチの連続や窮地での我らがシェルティス先生の登場など中身は文句なしで熱い。まあ、相手が強力なので無双がなかったのは残念だったが。
個人的に嬉しかったのはゼアドール再登場。この人の誠実で男気溢れるのに笑えるキャラがいい。脳内イメージだとスキンヘッドのマッチョだったんだけど、口絵(ユミィのバック)を見ると髪の毛はあるし目付きも想像と違うなあ。
ストーリーの方にもイグニドの正体が明らかになるという大きな進展が。
明かされる前に結構伏線は張ってあったので明かしたところでは驚かなかったけど、イグニドの一番最後の台詞には驚いた。でも、思い返してみるとクルーエル(前作のヒロイン)の存在もそんな感じだったような。こういう設定好きなのかな。
次はin穢歌の庭編か。ユミィがどうなるかが鍵?