いつも月夜に本と酒

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「《名称未設定》 Struggle1:パンドラの箱」津田夕也(ファミ通文庫)

《名称未設定》 Struggle1:パンドラの箱 (ファミ通文庫)
《名称未設定》 Struggle1:パンドラの箱 (ファミ通文庫)

俺、神園祐希【かみぞのゆうき】は、チュートリアルと名乗る少女に〈デイドリーマーズ・ストラグル〉に誘われる。それは未来人の暇つぶしのための見せ物【ゲーム】で、勝利のご褒美〈投げ銭【チップ】〉を集めれば、どんな望みも――来年起こるらしい第三次世界大戦の回避も叶うという。部活仲間の綴【つづり】、センパイとともに、俺はこのクソッタレな"白昼夢【デイドリーム】"に挑むことになってしまった。俺は、日々平穏に過ごせればそれで良かったんだけどな――。第14回えんため大賞特別賞受賞、ヒネクレ青春×バトルゲーム!


主人公はセンシティブ、雰囲気はシリアス寄り、繊細という言葉が似合うバトルアクション。
チームを組んでバトルするアクション物は星の数ほどあるけど、未来人のおもちゃになるって設定は珍しい? パッと思いつくのは上等シリーズ。作品の方向性が全然違うけど。
特長は新人がパワーではなく戦術で戦っていく下剋上な要素と、シリアス重視とは思えないキャラの濃さ。性別詐称的な主人公と友人のコンビに、ハイスペックな変人先輩。天然ボケ未来人に、露出狂教師などなかなかメンツ。
そんな彼らがそのまま暴れまわってくれればよかったんだけど……。
メインのバトルゲームは初めのうちは戦術性もあって面白いが、一人のキャラが抜けると未来の子供用の玩具を使った喧嘩のようになり、主人公の悩みは重いが個人的。未来人が万能で何でも出来る設定かつ望みも第三次世界大戦の回避などスケールが大きい割に、やっていることが小さくちぐはぐな感じが拭えない。
個人的には大賞よりは楽しめたものの、初めに見えたスケールの大きさからからすると、小さくまとまってしまった尻すぼみ感が強い。 


そういや、このタイトルなのに名前を決めてないことに何も意味はないのね。