いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「脱衣伝」大谷久(ガガガ文庫)

脱衣伝 (ガガガ文庫)
脱衣伝 (ガガガ文庫)

古来より日本で執り行われてきた神秘の儀式<脱衣の儀>。それは、脱衣士と呼ばれし者たちが超常の衣服「天衣」を身にまとい、互いに相手の天衣を脱がし合う決闘の儀式――。ある日突然、自分が先祖代々脱衣士の家系の人間であることを知らされた少年・古織木綿は、彼の後援者を名乗る美女・美服院姫乃から<脱衣の儀>への参戦を迫られる。木綿は戸惑いながらも、脱衣士のパートナーであるお針子巫女の天縫ミシンとともに過酷な脱衣バトルの世界へと身を投じてゆく……。脱がすか脱がされるか、恥辱を懸けた熱き戦いがいま始まる!


これはエロ……くない!
「修行」「挫折」「特訓」「信頼」、青春と燃えの要素ばっちりのスポ根的バトルアクション。
やってることはしょーもないし台詞も下ネタ単語連発なのだが、ストーリーとキャラクターたちはいたって真面目。そもそも下ネタが幼稚というか可愛らしいというか、健全な男子高校生の普通の反応という感じで、エロさはほとんど感じない。まあ、とりあえず主人公(というか作者?)が処女に並々ならぬこだわりがあるのだけは分かったw
本当はそのギャップとシュールさも楽しむ要素の一つなんだろうけど、むしろ「脱衣」の方に違和感を覚えるレベル、いっそ爽やかさすら感じるほどのスポ根ストーリー。
展開としては王道中の王道で先が読みやすいが、登場人物の真剣さのおかげで盛り上がるべきところでしっかり盛り上がれるのが良いところ。
タイトルのインパクトに負けて買ったが、予想外の方向に面白かった。