いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「さまよう神姫の剣使徒」すえばしけん(富士見ファンタジア文庫)

さまよう神姫の剣使徒 (富士見ファンタジア文庫)
さまよう神姫の剣使徒 (富士見ファンタジア文庫)

一つの都市、一つの迷宮を残し、虚無に喰われ果てた世界。
戦いの先の栄光、冒険の果ての一攫千金、あるいは死。人々の糧と欲望、そして運命と奇跡――あらゆるものが眠る大迷宮《大いなる門(マグナ・ポルタ)》で、探索士・ユウキは一人の少女を拾う。
「ここがソリトゥス、我が街か! 神姫の帰還をたたえよ!」
街を守護する女神――神姫であると自称する拾われた少女・ティナは失った力を取り戻すため、ユウキに協力を求める。
「対価は持っていない。だから、私自身を買ってくれ!」
運命から目を背けた探索士と、奇跡の力を取り戻すため奮闘する女神が織りなす“世界を護る”剣戟の迷宮ファンタジー

HJ文庫すえばしけん氏が富士見ファンタジア文庫に登場。大当たりはないが堅実に面白い作品を書く、アベレージヒッターな印象の作家さん。



WIZ風ダンジョン探索ファンタジー
とりあえずこれだけは言わねばならないだろう。
またロリかーい! 
すえばしけんと言えばロリヒロイン。本作もその例に漏れず、開始早々幼女を拾ってしまう主人公。乳ありヒロインに付け入る隙を与えないとは流石だw
そんな訳もあり、幼女・ティナは素直でいい娘のなだが、どうしてももう一人のフランカの不憫さの方に目が行ってしまう。口絵の時点で(背と胸の差で)負けフラグビンビンだったのに、作中では勝てない幼馴染みポディション的言動のオンパレード。これは涙なくしては読めない(ぇ ……そういえば神なのも“また”だね。
さて、そんな勝負が決まっている一強一弱ヒロインは置いといて肝心の内容の方は、
主人公が自称商人で、ダンジョン探索よりもその外での生活、町での出来事やダンジョンに潜る探索士同士の人間ドラマに重きを置いたストーリー。
初ファンタジーでも諸設定はしっかり練られているし、人間ドラマメインなので感情移入もしやすい。さらにオレツエー要素もありと安心感のある面白さ。
但し、最後の種明かしで物語の方向性が一気に変わってしまったような気が。次から戦いメインになったりするのかな?
1巻は間違いなく面白かった。2巻からは方向性が分からないので期待半分不安半分。