いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「温泉ドラゴン王国1 〜ユの国よいとこ、一度はおいで〜」山川進(オーバーラップ文庫)

温泉ドラゴン王国 1 ~ユの国よいとこ、一度はおいで~ (オーバーラップ文庫)
温泉ドラゴン王国 1 ~ユの国よいとこ、一度はおいで~ (オーバーラップ文庫)

「私に、温泉を調べさせてくださいっ!」
山ばかりの貧乏国家「ユ国」の王子アリマは国の財政難を解決するための方策について悩んでいた。そんな彼の元にある日、隣国の研究員が訪れる。古代の遺跡を調べる研究者である少女ハナは、ユ国唯一の特色である「温泉」には合成すると特殊な効能を発揮する性質があることを明らかにする。
ハナの助力を得てアリマは「温泉を使った旅館の経営での財政再建」を目指すが、来るのはドラゴンや勇者など、一筋縄ではいかないお客様ばかり。
ドタバタ&ほのぼのに入浴シーン大サービスで送る温泉ファンタジー営業開始!


温泉SUGEEEEEE!!!
温泉で町興しならぬ国興しをするファンタジーものなのかと思ったら、とんでも効能の温泉が事件を引き起こすファンタジーだった。馬がマグロになったり、蟻がペガサスになったり……ってこれ温泉地じゃなくて呪泉郷(らんま1/2)じゃねーか!w
そんなわけで、ゆる〜い作風とネタ色の濃い温泉の効能で気軽に楽しめるドタバタコメディ。
全四話構成で、どの話も笑いありしんみりするいい話ありで面白いが、真骨頂は四話目の隣国との戦争。
最後はシリアス路線か?と思わせたところで、ネタの一斉掃射。思いっきり笑ってしまっただけに、それまでの話で一発ネタだと思っていた効能がちゃんとここに繋がっているのがなんか悔しい。それに235頁の挿絵(主に下の方)は卑怯だ。こんなに笑える地獄絵図があるとは。
また、温泉の話ということで肌色成分はもちろん多め。何とは言わないが大きさも大中小と取り揃えられていて様々なニーズに答えられる様になっている。……はずだったんだけど、約一名(大の人)がことごとく雰囲気ぶち壊してくれているからお色気は全然感じられないんだな、これが。良いんだか悪いんだか(^^;
何はともあれ面白かった。次も楽しみ。