時は元禄、徳川の世。病気がちな母親のための薬を求めて上京してきた釣り好きの青年・亀は、麒麟と名乗る謎の侍より、いきなり法で裁けぬ悪を懲らしめる《四神》というお役目に抜擢された。
同じように集められたのは読売(新聞屋)でよく喋る少女・すゞめに、元相撲取りで現飯屋の偉丈夫・虎。そして沈着冷静な若浪人・竜之介。彼らは麒麟の思惑に困惑しつつ、時にケンカし、時に支えあいながら、一見平穏に見える江戸の町の暗部に迫っていく――!!
新世紀の娯楽時代小説登場!
後味悪すぎぃ!!!
これが娯楽時代小説だと!? 酷いあらすじ詐欺を見た。
台詞回しが今風で時代小説を読んでいる気が一切しない。……のは些細な問題だった。
二つの事件が起こるのだが、どちらも腐った商人や武士が金や身分を笠にやりそうなことではある。でも、どちらも陰湿でやりすぎ。しかも「法で裁けぬ悪を懲らしめる」なんて言っておきながら制約が多くて全くスッキリしない解決の仕方で心にしこりを残す。
スタートから主人公の亀が江戸に留まらなきゃならなくなった理由からして理不尽で、暗い影を落とす出だしではあったのだが、その後もどんどんダークになっていうくとは思いもしなかった。これに娯楽を感じる人はよほど性根がねじ曲がっているか、心が病んでいるとしか思えない。
こういう話が悪いとは言わないが、娯楽時代小説を謳っておきながらこの内容はありえない。あらすじで勧善懲悪の痛快な話かと思って読んでいただけに余計に胸糞悪い。