いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12)」伏見つかさ(電撃文庫)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12) (電撃文庫)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12) (電撃文庫)

『――人生相談があるの』
あれから色々なことがあった。隠していたエロゲーが見つかって、バカにされるかもって怯えたこと。昔の兄貴の面影に、思わず人生相談を切り出したこと。アイツは親身になって、大嫌いなあたしのために、オタク友達を作ろうとしてくれたっけ。オフ会で孤立した時も、親友と絶交しちゃったときも、留学先で落ち込んでいたときも、お父さんエロゲーを捨てられそうになったときもそう。あいつはいつだって一生懸命、あたしを護ってくれていた。だから、今さら『なんで』なんて聞かないでよね。人生相談から始まった、どこにでもいる兄妹の、ほんのちょっぴり特別な、物語。ずっと隠し続けてきたあたしの秘密を、いま明かそうと思う。

  ↑文庫版あらすじ(妹) ↓web版あらすじ(兄)

やれやれ……俺が長々と語ってきたこの物語にも、そろそろ終わりが見えてきたようだ。まあんなこと言っても、物語ってのはたいがいラスト付近が一番キツいもんで、俺の高校生活最後の数ヶ月は、そりゃもう大変なことになる。まさしくクライマックスってやつだ。そんなの、平穏を愛する俺の人生にはいらねーのにな。けど、まあ、やってみるさ。地に足つけない、嵐のような人生も、なってみりゃあ面白い。手ぇ抜くのはもったいないし――俺が始めた物語には、俺自身がケリを付けるべきだろう。 
……ここまで付き合ってくれて、ありがとうな。


読み終わった直後の正直な感想を一言で言おう。


「ふっっっざけるな!!」


京介の選択が気に入らなかったのか? どちらかと言えばイエス
でも、他は誰選んでも禍根が残ったであろうからある意味無難な選択だったとも思う。但し、告白後はニヤニヤ出来るものではないから読んでいて楽しいかはかなり微妙だが。
きちんと終わらなかったのか? ノー。
主要キャラの気持ちにケリや整理をつけたし、物語前半の出来事や台詞を回想したりで最終巻らしい最終巻だった。
まあ、ヒロイン何人かの綺麗な甘い思い出を語っても結局振ってるんだから、京介がいかにモテるかっていうただ自慢話になってるような気がするけど。
では、何が気に入らないのか? 当然麻奈実さんですよ。
どうして麻奈実が最後のちょっとしか出てこないんだよ!! しかも、ただの嫌な子みたくなってるじゃないか。他のヒロインには良い思い出の回想があるのに、麻奈実にないのは何故だ? 妹を抜かしたら一番長く京介を好きだったのは誰だと思っている。前の巻のラストで思わせぶりなことさせといてこの扱いは酷い。これはラスボスじゃなくてエンディング中のおまけ戦闘だろ。ほぼ無価値。これなら出てこなかった方がマシだった。
最終章前までの感想はプラマイゼロだったのが、麻奈実登場で一気にマイナスに振り切った。
アニメはここまで行かないだろうから、もっとぼかした終わり方になるだろう。それで口直ししたい。