いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺のかーちゃんが17歳になった」弘前龍(電撃文庫)

俺のかーちゃんが17歳になった (電撃文庫)
俺のかーちゃんが17歳になった (電撃文庫)

澤村隆史、高校2年生。ある日学校から帰宅するとそこには見知らぬ女子高生の姿が! 「隆史、おかえり?」って、まさか俺のかーちゃん!? いったい何があったのかと訝しむ隆史に、引きこもりの妹・優香が、どうやら巷で噂の「17歳教」が関わっていると教えてくる。この組織に入ると「永遠の17歳」になれるらしいのだが……。真相を突き止めるためにかーちゃんを尾行をすることにした隆史と優香。そして二人は17歳になったかーちゃんの真の姿を目撃する! かーちゃんをとりまく「17歳教」とは……!
17歳の母親による、ハートフルホームコメディ! 第19回電撃小説大賞、最終選考作登場!


教祖様の推薦帯からの「実在の声優・宗教団体とは関係ありません」の注意書き。これは酷い(誉め言葉
タイトルとあらすじから考えても17才教をネタにしたどーしょもない一発ネタのバカコメディが出てるるんだろう……と思うよね、普通。実際、主人公の男の子が17歳になった母とブラコン妹と17なのに社長な彼女、女の子たちに振り回される話ではあったのだけど、、、
雇用問題や引きこもり、老後の現実など今の日本社会が抱える問題を取り上げた、胸が痛んだりしんみりしたり心温まったりする場面が多いハートフルストーリーなんだな、これが。
入りがおふざけじゃなかったら社会派ライトノベルとしてもっと評価できるのにと思う反面、この設定だからこそ寿命について考えさせる唯一無二のライトノベルになったんだろうという思いもあり複雑な気分がありつつも、率直な感想としては、
「母は強し」を強烈に印象付ける“いい話”だった。これは良いタイトル&あらすじ詐欺。



ちなみにあまりにシリアスが続くので、行動が思わせぶりな彼女さんは主人公一家を貶める策を練っているんだろうと割と最後の方まで思ってたのは内緒w