いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに」藤瀬雅輝(このライトノベルがすごい!文庫)

非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに (このライトノベルがすごい! 文庫)
非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに (このライトノベルがすごい! 文庫)

「俺は那須谷繭香が好きだ!」ある日の授業中、唐突に自分の恋心を自覚した主人公・宮岡貫平は、さっそく告白を決意する。なぜか告白を邪魔しようとする担任の月影先生を謎の<コウカンゴジョカイ>のメンバーたちの協力のもと振り切って、晴れて繭香と恋人同士となった貫平。バラ色の学園生活が広がると思っていた矢先、学園に伝わる「非モテの呪い」の試練が襲ってきた……。呪いに負けずに最後まで彼女を愛し抜けるのか!?第4回『このライトノベルがすごい!』大賞・優秀賞受賞作!


キャラクターが、主にメインの二人が良かった。
誠実で一途な彼氏と、恋愛は初心者ながら慈母のような優しさを見せる彼女。とても好感の持てる二人で、羨ましいや爆発しろよりも応援したくなる気持ちが先に来る、ラブコメでは珍しいタイプのカップルが好感触。
それだけに各イベントが薄味なのが勿体ない。
呪いによって彼女の姿形や性格が誰かと交換されてしまい、その相手を期限内に見つけるという内容なのだが、彼氏の苦悩/苦労が足りない。
前もって知識があるので身構えているというのもあるが、彼女の変化をあっさり受け入れてしまうし、犯人もあっさり見つかってしまうので何だか拍子抜け。少々変化球だった最後のエピソードは一瞬「おっ」と思ったがやっぱり尺が足りてない。まだ心理描写が欲しい。
まあ、そこまでしっかりやってしまうと一冊に収まらないのはわかるんだけど。続刊前提で応募作を書くわけにもいかないし、その辺りのバランスは難しい。
それでも各話が薄いだけでいい話ではあってキャラクターはいいので、そこそこ楽しめるラブコメではあると思う。